空き家は全国で年々増加しており、社会全体で取組みが必要な重要課題となっており、それは井川町でも同様です。4月号では空き家を管理できないときに検討すべきポイントや町の補助金制度について、8月号では空き家を所有・管理している方や今後空き家を所有すると見込まれる方がすべきことについてお伝えしてきました。
今月号では、空き家の解体のメリット・デメリットと空き家バンクについてお伝えしていきます。
■空き家を解体することのメリットとデメリットは?
空き家を放置しておけば、老朽化が進み衛生面や景観の悪化など、様々な悪影響が発生することから、将来的には、空き家の解体が必要となることも考えられます。解体にあたり、想定されるメリット、デメリットの一例は以下のとおりです。
◆メリット
◇土地を売却しやすくなる
一般的に老朽化した建物が建っているよりも、更地の方が売却がしやすく、地価も高くなりやすいです。
買い手としては、更地は土地活用をする際に配置などがイメージしやすく、すぐに着工できるメリットがあります。そのため、売却が容易になるケースが多いです。
◇維持管理にかかる手間とお金が不要になる
空き家を維持すると、管理費も発生します。管理費として代表的なものは、固定資産税・火災保険料、外部に管理を任せる費用(管理費やセキュリティ費用)、補修費用等です。
また遠方であればあるほど、労力もお金も多く発生します。
◇遺産分割しやすくなる
空き家を解体→土地を売却し現金化することで、遺産の分割がしやすくなります。
◆デメリット
◇解体費用がかかる
空き家の構造や規模などによりますが、解体するには多額の費用がかかります。また、それに加え、解体工事の際に発生する破片や砂ホコリが周辺に飛散するのを防ぐ処置や防音対策にかかる費用、廃材や家具・家電の廃棄物処分費なども必要となります。
◇固定資産税の特例措置が適用されなくなる
建物がある状態であれば、固定資産税は最大で1/6までが減額されます。
解体して建物がなくなると減税措置が適用されなくなるので、家を解体しない人も多く、空き家が増える原因にもなっています。
■空き家等を空き家バンクに登録しませんか?
町内にある空き家等の有効活用を通して、希望者に対してインターネット等を通じて広く情報を公開するために「井川町空き家等情報登録制度(=空き家バンク)」を創設しています。
この制度は、貸したい・売りたいと考える空家等の所有者等に空き家バンクに登録していただき、町のホームページに掲載し、空き家等を借りたい、買いたい希望者に情報を提供していくものです。
町内に空き家・空き地をお持ちの方は、是非この機会に空き家バンクに登録してみませんか?
◆空き家バンクフロー図
(1)空き家等を貸したい、売りたい所有者等は、井川町空き家バンクへ登録を申請します。
(2)申請を受けた井川町空き家バンクは、間取り、設備、補修の要否等を把握するため井川町内不動産会社に物件の調査を依頼。不動産会社と井川町役場職員にて、物件の調査をします。
(3)調査結果により、井川町空き家バンクに登録できるか判断をして、所有者等に結果を報告します。
(4)登録可能であれば、ホームページ等で情報を提供します。
(5)ホームページ等で希望する物件を見つけた場合は井川町まで連絡します。
(6)井川町空き家バンク担当が、所有者・利用希望者との現地確認等の連絡調整を行います。
(7)所有者・利用希望者で交渉のうえ、契約を締結します。
※仲介を希望される場合は、宅建協会加盟の宅建業者を紹介します。(別途宅建業者への仲介報酬が発生します。)
◇注意事項
・空き家の賃貸借または売買の交渉・契約は、町内の不動産会社を介して行うか、所有者等と利用希望者で直接行っていただきます。井川町は掲載されている物件の取引について、賃貸または売買の仲介は行いません。
・空き家等の提供者または利用希望者が町内不動産会社による仲介を希望する場合は、井川町から町内不動産会社へ連絡します。なお、仲介を利用された場合には、宅地建物取引業法等で規定された報酬が発生します。
・掲載されている情報については、所有者等からの情報、および町内不動産会社等の調査により作成しています。
・空き家バンクへの登録は、登録の日から2年間です。登録費用はかかりません。
◆空き家バンクに登録した空き家は補助金制度の対象となります!(条件あり)
◇空き家バンク登録空き家等 解体撤去費補助金
補助額:補助対象経費の1/2(上限50万円)
対象空家等:空き家バンクに1年以上登録されている又は登録から2年を経過し登録を抹消された建物
対象者:登記事項証明書に記載されている方、またはその相続人
問合せ:町民生活課 住民生活班
【電話】874-4416 有線4441
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