今号の注目株

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■全国版「ゴ・エ・ミヨ2023」に市内で初めて掲載　佐々木章吾さん(大曲)

このまちには全国に誇れる食材がある
「イタリア料理」を通して、「秋田」の魅力を伝えたい

「初めは料理を志すつもりはなかった」。
「ゴ・エ・ミヨ」の日本全国501軒の「今、行くべき店」の一つに選ばれた「ristorante giueme(リストランテジュエーメ)」。オーナーシェフ・佐々木さんはそう切り出した。
1972年にフランス・パリで誕生したレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」。その国の食文化を掘り下げ、地域性(テロワール)に注目することで食の「今」を伝え、新しい才能の発見にも力を入れている。今回新たに東北を含めた初の全国版が刊行され、その一つに選ばれた。「驚いたのが一番。スタッフみんなでやってきたことが認められて嬉しい」と笑顔を見せた。
大学在学中、高校時代の同級生らが地元・秋田のために汗を流す姿を目にした。と同時に、その姿に憧れた。「俺は料理だ」。アルバイトで触れていたイタリア料理。〝地元のために〞その思いが料理を志す大きなきっかけとなった。2010年に上京、「フィオッキ」(東京・祖師ヶ谷大蔵)の門を叩き、堀川亮シェフの元で3年間修行。2014年に独立し、ジュエーメをオープンした。
こだわったのは「非日常」。ウッドフェンスで仕切られた緑あふれる石畳を歩くと、すぐにそれを感じさせる。木漏れ日の優しい光が差し込む上品な店内。土壁の温もりや季節の花の彩りが心をリラックスさせ、居心地の良い空間で包んでくれる。
「その土地に根付き、その土地の食材の持ち味を生かすのがイタリア料理。このまちには全国に誇れる食材がある。地元農家が丹精込めて育てた野菜の良さを、イタリア料理を通して感じてもらいたい」と腕を振るう。秋田の旬を堪能できる料理は、川連漆器や樺細工、楢岡焼など伝統工芸品のオリジナル食器で提供されるほか、地元酒蔵の日本酒とのペアリングなどで、より「秋田らしさ」を感じさせてくれる。
料理を提供する際は、食材の魅力や背景、生産者の思いも伝える。「地元の食材を生かした〝秋田のイタリア料理〞を作り続けたい。一つ一つの料理で秋田の魅力を色濃く伝えられるような店になりたい」。と、その思いは熱い。「『食』を通じたまちづくり」を夢に、秋田の旬を料理に乗せる。

Profile
ささきしょうご　1975年生まれ
大曲西中ー横手高ー宮城教育大。大学時代のアルバイト先でイタリア料理に触れる。「料理で地元に貢献したい」一心で、東京・祖師ヶ谷大蔵の「Fiocchi(フィオッキ)」で3年間修行。2014年に独立し、「ristorante giueme(リストランテジュエーメ)」をオープン

ristorante giueme
大仙市戸蒔字谷地添100-1【電話】0187-73-5053
営業時間…12：00～・18：30～　※ランチ・ディナーともに一斉スタート(前日までの完全予約制)
定休日…水曜・木曜(不定休あり)
【HP】https://www.giueme.com/