卓越した技術を持ち、長年精進された技能者の方々をたたえる技能功労者表彰。
今年度は3人の皆さんが選ばれました。選考委員会(長澤典雄会長)で決定された方々を紹介します。
■高橋 節子(たかはし せつこ)さん〔大曲・74歳〕 婦人服仕立職
昭和43年に東京都の洋裁店に勤務し、約2年間コート類の製造に従事。勤務の傍ら、洋裁の専門学校に通い、型紙製作の技術を習得しました。その後帰郷し縫製技術を磨いた後、63年に高橋縫製として独立し現在に至ります。開業当初はカットソーの縫製を行っていましたが、現在は、ドレスやウエディングドレスに特化した専門縫製業者として活躍しています。
平面の生地を、着る人の体形に合わせて立体的に縫い上げる縫製は難易度が高く非常に高度な技術を要しますが、長年の経験と感覚でその技術を体得し、業界内で高く評価されています。その縫製技術の高さから、有名デザイナーの依頼を受けるまでに知名度が高まり、現在は有名ブランドの新作ウエディングドレスの縫製を担当しています。
長年の豊富な知識と経験のもと、積極的に技術指導を行い、後進の育成や業界の発展に大きく貢献しています。
■高橋 公二(たかはし こうじ)さん〔中仙・67歳〕 建築防水工
昭和62年に大栄建工株式会社(中仙地域)に入社。現在同社の代表取締役会長を務める大釜猛氏に師事し、建築防水の技術を習得しました。平成3年からは、工事課長に就任し、現在も現場の一線で活躍しています。37年の長きにわたり建築防水工事の現場に携わり、防水工事各種の一級技能士有資格者として施工箇所や現場の状況に応じた、熟練された技術が高い評価を得ています。また、長年の経験と豊富な知識を生かし、大仙市立大曲小学校や大仙市役所神岡支所、仙北支所などの公共施設の屋上防水改修工事のほか、施工実績は多岐におよび、業界内で高く評価されています。
長年の経験と豊富な知識のもと、防水見習工として入社した若手技術者を熱心に指導し、一級防水技能士、二級防水技能士を多数輩出するなど、後進の育成や業界の発展に大きく貢献しています。
※「高橋 公二」の「高」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
■佐藤 誠子(さとう せいこ)さん〔仙北・64歳〕 和服仕立職
昭和54年、高校卒業と同時に旧大曲市の前田和服裁縫所の前田忠助氏に師事し、和裁全般の技術習得に励みました。4年半の修行後独立し、現在に至ります。女性の第一礼装である留め袖、振り袖の絵羽(えば)模様の柄合わせは難を極めますが、独自に考案した技術で模様のずれが無い完璧な仕立ては県内トップと絶賛され、同業者はもちろん、顧客からも高く評価されています。
秋田県和服縫製組合連合会の組合員を対象に、現代にあった二部式(にぶしき)着物・簡単付け帯の講習会の講師を務め、仕立て技術の指導を行っているほか、平成26年には優れた技能と経験を持つ技能者として厚生労働省から「ものづくりマイスター」の認定を受け、県内の小学校での「ものづくり体験教室」や「ものづくりワークショップ」に参加し、生徒・児童が楽しく分かりやすい作品づくりの指導を熱心に行うなど、後継者の育成に尽力しています。現在は、秋田県和服裁縫組合連合会副会長として、業界の発展に大きく貢献しています。
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