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今号の注目株

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秋田県大仙市

■パリ五輪マラソン日本代表 鈴木優花さん(中仙出身・第一生命グループ)

パリ五輪は、世界での勝負のスタートライン
大きな一歩として挑戦したい

「夢は漫画家。イラストレーターになりたかった」。絵を描くことが好きだった優花さんは、そんな夢を抱いていた。中仙小、中仙中時代は、バスケットボール部。〝走る〞ということを意識し始めたのは小学3年生から。「走ることが得意なのかなと思うようになった」。バスケットボール部に所属しながら、駅伝大会にも出場。走る力が芽を出し、少しずつ花が開いていった。
大曲高校に進み、本格的に陸上競技の道へ。「人生の選択で自分が一番大事にしてきたのは、自分が何をしたいかということ。自分の気持ちに正直になって選択することを大事にしてきた」。〝走りたい〞。その気持ちを一番に高校、大学、そして実業団を選択。ケガに苦しんだり、思うようにタイムが伸びなかったりしたこともある。それでも「走ること」に全力を尽くし続けてきた。
たゆまぬ努力が身を結んだ昨年10月の「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」。マラソン3回目の挑戦で優勝し日本代表に内定、パリ五輪の切符をつかんだ。「世界での勝負のスタートラインに立ったに過ぎない。この先もできる限りのことを尽くし、大きな一歩として挑戦したい」と先を見据える。代表内定後、パリを訪れコースの一部を試走。「ジョギングでもきついぐらい起伏が激しかった」と言うが、「平坦なコースだとケニア勢やエチオピア勢が高速レースや揺さぶりをかけてくるが、起伏が激しいからこそ日本選手にもチャンスがある。レースのイメージを作り、コースに対応できる体と脚を作り上げていく」と意気込む。
「想像すること」も大切にする。「1位でゴールテープを切り、晴れやかな気持ちで控えテントに入るまでを細かく想像する。想像することで心がその状態になり、体にも伝わる」。想像が力に変わり、目の前のことをあたかも当たり前のように感じられるようになると言う。パリを走る自分を想像し、どんな絵を描いているのだろうか。
「皆さんの応援は、いつも私の心の奥深くまで届いている。『大曲の花火』のようにたくさん火花を散らせるように頑張りたい」と入賞を目指す。〝走りたい〞を貫いて人生の選択をしてきた。自分の選択に全力を尽くしてきた。「私の走りで皆さんに元気を届けられるように」。8月、世界の舞台に立ち「花の都」を駆け抜ける。

Profile
すずきゆうか
1999年生まれ。中仙小ー中仙中ー大曲高ー大東文化大出
小・中学時代はバスケットボール部に所属しながら駅伝大会にも出場。大曲高で本格的に陸上競技の道に進み、インターハイに出場。大学では数々の優勝のほか、4年時には日本学生新記録も樹立。昨年10月のMGCで優勝し、パリ五輪日本代表内定

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