■知っていますか。〝自殺〟の実態
令和4年秋田県の自殺率は全国でワースト1位。大仙市の自殺率も、県全体に比べて高い現状にあります。(出典・厚生労働省「人口動態統計」)自殺は誰にでも起こり得る、とても身近な問題です。生活環境の変化や日々の悩みなど、さまざまな要因が積み重なることで自殺に追い込まれてしまいます。
市では、精神保健的な支援のほか、保健、医療、福祉、教育、労働などの関連分野と連携した包括的な自殺対策を実施し、誰も自殺に追い込まれることのないまちの実現を目指しています。
○令和4年の自殺者数と自殺率
・大仙市
自殺者数:23人
自殺率(※):30.7
・秋田県
自殺者数:209人
自殺率(※):22.6
・全国
自殺者数:21,252人
自殺率(※):17.4
(※)人口10万人に対する自殺者数
■日常のどのような場面にも自殺の原因は潜んでいます。
○ケース(1)
子育てが終わったことによる喪失感から「私って必要なの?」といった考えがうつ病につながり、自殺を考えてしまうケース
↓
55歳 女性 主婦
子どもが高校を卒業し、就職した。定年まであと5年。子育てがやっと終わり、夫と独身の子どもとの共同生活。生活も安定しているが、最近は食欲もなく、何をするにしても意欲がない。夫に相談し、専門外来を受診した結果、「うつ病」と診断された。
仕事を休職したが復職できず、結局、早期退職となってしまった。治療を続け何かできそうな気分にはなってきたが、無意識にスマホでは〝自殺〟の方法を検索する日々が続く。そんなとき、息子から「会ってほしい人がいるんだ」と相談された。まだ私を必要としてくれている…ってこと?
○ケース(2)
今までずっと一緒だった相手と離れてしまい、突然一人になってしまったことによる不安や寂しさから、自殺を考えてしまうケース
↓
63歳 男性 無職
いつまでも元気だと思っていた妻。妻より先に旅立つだろうなと考えていた私。ある日突然、妻の看病に直面し、願い・祈り叶わず永遠の別れとなってしまった。
慌ただしい葬儀も終え、ふと「これからは一人暮らし」という現実に直面する。その現実に耐えられなくて、眠れなくて、やる気が出なくて、いっそのこと〝自殺〟して消えてしまいたい。そんなことを考え始めてしまう。
自殺を考えてしまう要因は人それぞれ。自殺に追い込まれる人を減らすには、その人の自殺に向かう導線「自殺の危機経路」に沿った対策をすることが大切です。
■大仙市の自殺者の特性と、自殺に追い込まれないための対策
大仙市の主な自殺の特徴(平成30年~令和4年)
(出典・自殺総合対策推進センター「地域自殺実態プロファイル2023」)
○自殺者の特性上位5区分
・自殺者数(5年間)(割合)
・背景にある自殺の危機経路
1.女性 60歳以上 無職同居
・20人(21.1%)
・身体疾患→病苦→うつ状態→自殺
主な原因:身体疾患からくる病苦
対策方法:かかりつけ医を持ち、体調の違和感を覚えたらすぐに相談しましょう。年1回の健診(検診)は必ず受け、より詳しい検査が必要と診断された場合は、必ず精密検査を受けましょう。
2.男性 60歳以上 無職同居
・17人(17.9%)
・失業(退職)→生活苦+介護の悩み(疲れ)+身体疾患→自殺
主な原因:失業(退職)後の生活苦、介護疲れ、身体疾患
対策方法:退職後の生活を今一度考えてみましょう。現役世代からの準備も大切です。普段から地域の方などと交流し、悩みを相談し合えるような関係を築くことも大切です。
3.男性 60歳以上 無職独居
・10人(10.5%)
・失業(退職)+離別・死別→うつ状態→将来の生活への悲観→自殺
主な原因:退職や失業、死別
対策方法:環境の変化は心と体に大きな影響を及ぼします。地域の方などと交流することで、寂しさを紛らわせられたり、自分の悩みの解決の糸口が見つかるかもしれません。
4.男性 20~39歳 有職同居
・10人(10.5%)
・職場の人間関係/仕事の悩み(ブラック企業)→パワハラ+過労→うつ状態→自殺
主な原因:仕事上のストレス
対策方法:仕事の悩みは1人で抱え込むほど苦しくなります。家族や友人、職場の同僚など、信頼できる人に自分の思いを打ち明けることで気持ちが楽になるかもしれません。
5.男性 40~59歳 有職同居
・9人(9.5%)
・配置転換→過労→職場の人間関係の悩み+仕事の失敗→うつ状態→自殺
主な原因:職場でのストレス
対策方法:家族での役割も大きくなる年代です。お互いを思いやり、過剰な期待や責任を負うことなく支え合う気持ちで過ごすことが大切です。
自殺の実態を理解して、誰も自殺に追い込まれることのない大仙市を目指しましょう
■ひとりで抱えていませんか? 大仙市のこころに関する相談窓口
○こころとからだの健康相談
健康増進センター(健康福祉会館/大曲)【電話】0187-62-1015
西部(西仙北庁舎内/神岡・西仙北・協和・南外)【電話】0187-75-0476
東部(中仙庁舎内/中仙・仙北・太田)【電話】0187-56-7211
○こころの健康相談(臨床心理士によるカウンセリング)
ほっとスペース(予約制)【電話】0187-62-9304
○メール相談も受け付けています
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