平成26年に取り組みがスタートした「大仙市花火産業構想」。地域を代表する伝統文化「大曲の花火」のブランド力を生かし、地域活力の源泉となる産業の創出を目指して策定されました。
構想策定から10年。これまでの成果を活用しながら、「日本の花火」の持続的発展と地域経済の活性化を図るため、令和6年度から市内8団体による「花火産業推進プロジェクト」が始動。「大曲の花火」第100回大会が開催される10年度までの5年間、共通の目標に向かい、各団体で進められる主な事業の概要をお知らせします。
■基本コンセプト
「日本の花火」の持続的発展と地域経済の活性化
■5年目標(令和6~10年度)
「大曲の花火」第100回大会を見据えたグローバルな花火産業基盤の確立
■参画団体
大仙市、大曲商工会議所、大仙市商工会、大仙市観光物産協会、大曲の花火協同組合(小松煙火工業・北日本花火興業和火屋・響屋大曲煙火)、花火創造企業、TMO大曲、大曲花火倶楽部
■伝統文化としての継承、文化的価値の向上
○花火企画展示拡充事業(大仙市)
はなび・アムの資料収集や企画展示をこれまでより質・量ともに充実させ、花火文化をより多くの方に知ってもらう
○花火文化体験拡大事業(大曲の花火協同組合)
花火工場見学、模擬花火玉づくり体験、プライベート花火打ち上げ、はなび・アム見学、などの花火文化体験をPRし、個別、団体(修学)旅行利用につなげる
○花火ふるさと教育事業(大仙市)
・市内の小学生を対象に「大曲の花火-秋の章-」の無料観覧の機会を提供する
・子どもたちに花火文化を体験する機会を提供し、花火をふるさとの文化として認識してもらい、地域の将来の担い手としてのふるさと愛を育む
このほか、「大曲の花火」エンターテインメント事業(TMO大曲)、花火ファン拡大事業(大曲花火倶楽部)
▽三浦成美さん はなび・アム職員
企画展を年3回に増やします。夏は分かりやすいもの、冬はマニアックに。皆さんに楽しんでもらえる内容を心掛けています。また、全国花火競技大会のダイジェスト版を8K映像で見られるモニターを用意しています。より鮮やかな色と細かい光の粒子・軌跡をぜひご覧ください。
■国際的に認知され、海外からも訪れやすい環境の実現
○国際花火競技大会出品事業(「大曲の花火」実行委員会)
7月のモントリオール国際花火競技大会など、世界各地で行われる大会で大仙産の花火玉と地元花火業者の打ち上げ技術を世界に披露し、観光客誘致と「大曲の花火」の海外進出の足がかりとする(関連記事本紙6ページ)
○国際花火シンポジウム誘致事業(「大曲の花火」実行委員会)
令和10年の大仙市での開催に向けて誘致を行い、開催によるインバウンド観光の増加につなげる
○大仙おもてなし隊養成講座事業(TMO大曲)
増加するインバウンド客に対応するため、英会話や大仙市の地域・文化について学ぶ「おもてなし隊養成講座」を行い、オール大仙でのおもてなしを実現する
このほか、インバウンド観光環境整備事業(「大曲の花火」実行委員会)、「大曲の花火」外国語放送事業(TMO大曲)
▽齋藤靖さん 大曲商工会議所会頭
出場するからには〝世界一〟目指します。モントリオール国際花火競技大会で、日本の「HANABI」と「大曲の花火」の素晴らしさを名実ともに示し、国内外に発信することが今回の使命。大仙市へ多くの方に来てもらえるよう「大曲の花火」をインバウンド誘客につなげたいと思います。
■花火大会をはじめとする花火に関するコンテンツの充実
○第100回記念大会開催事業(「大曲の花火」実行委員会)
令和10年の第100回大会を日本最高峰の花火競技大会の節目としてふさわしい大会とし、世界に誇る伝統文化「大曲の花火」の存在感を国内外に示す
○「大曲の花火」デジタル推進事業(「大曲の花火」実行委員会)
・問い合わせ対応のチャットボットやデジタルマップなどのデジタル技術を導入・活用し、来訪者の利便性向上を図る
・企業や家庭向けに駐車場シェアリングサービスをPRし、民間駐車場の拡大を図る
○花火おみやげ展開事業(大仙市観光物産協会)
新たな定番となるこれまでにないお土産品を開発・販売し、地域への経済効果を高める
このほか、「大曲の花火」出品業者宿泊施設・大会管理運営施設建設事業(大曲商工会議所)、クルーズ船花火普及事業(大曲の花火協同組合)
▽小松徹哉さん 大仙市観光物産協会職員
「花火玉」の形にこだわった、「大曲の花火」の新たな定番となるお土産品を考案していく予定です。大仙市内のさまざまな商品とコラボレーションすることで、地域経済の活性化につなげたいです。インバウンド客も視野に入れた、今までにない花火グッズも開発していきたいと思います。
■花火ブランドによる地域経済への波及拡大
○体験型サービス提供事業者整備事業~交流人口拡大事業~(大仙市商工会)
酒蔵や農業体験など、市内に点在する体験型サービスを提供する事業者を結びつけて誘客し、滞在時間延長や交流人口の拡大、地域への経済効果向上につなげる
○イベントホームステイ普及事業(大仙市観光物産協会)
自宅提供者の拡大や宿泊手続きの改善により「大曲の花火」開催時の宿泊先不足を補い、滞在時間の延長や交流人口の拡大につなげる
○はなび・アムを核としたにぎわい創出事業(大仙市)
・飲食やお土産販売スペースを設置し、にぎわい創出を図る
・周辺の催しに合わせたイベントを開催して集客の相乗効果を図り、来館者の周辺施設への周遊を促す
このほか、花火製造工程自動化・省力化事業(花火創造企業)
▽佐藤洋さん 大仙市商工会副事務局長
花火に来た人は、商工会地域(旧町村)を通ります。その線を結んで面にし、各地域の強みや資源を生かした誘客をしていきます。強力なコンテンツの花火をどう生かし、つなげていくかが私たちの役割。事業者と協力して、交流人口の拡大と地域全体の活性化を進めていきたいです。
問い合わせ:花火産業推進課(はなび・アム内)
【電話】0187-73-7931
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