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今号の注目株

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秋田県大仙市

厚生労働大臣認定 卓越した技能者(現代の名工)
今野義和さん(神岡・北日本花火興業代表取締役)

記憶や印象に残る花火が良い花火の条件
「型物花火」は会場に不思議で楽しい空間を与えてくれる

■Profile
こんのよしかず
昭和39年生まれ。大曲高ー福井工業大工学部卒。
明治32年創業・株式会社北日本花火興業の四代目。創造花火での音楽に合わせた花火の打ち上げ普及に貢献したほか、卓越した「型物花火」の製造技術を持つ。「大曲の花火」では3度の内閣総理大臣賞受賞。その他全国各地の花火競技大会でも数々の優秀な成績を収める。

令和6年度の卓越した技能者に、北日本花火興業(神岡)の四代目、今野義和さんが選ばれた。卓越した技能を持ち、その道の第一人者として表彰されたことに「私たちが取り組んできた『型物花火』が花火の一つのスタイルとして認められたというのはうれしい。価値のある表彰」と笑みをこぼした。
物心が付いたころから、生活の周りには花火があふれていた。「家と職場が近かった事もあり、花火師の仕事の良いところも悪いところも間近で見てきた。父親が打ち上げた花火が歓声を浴びると自分も誇らしい気持ちになった」高校生になると「大曲の花火」を真面目に見る機会が増えた。花火を見る中で「俺ならこんな構成で上げるな」と自分なりの花火を考えるようになった。3年生のころには、花火の道に進むことを決意。高校卒業後は、火薬の教授が多数そろう福井工業大学に進学した。
昭和59年、大学3年生の時に全国花火競技大会で打ち上げた花火「2001年宇宙の旅」が創造花火の競技に革新をもたらした。打ち上げ会場に音楽を流し、そのメロディに合わせて花火を打ち上げるという、現在では全国的に定番となっているスタイルを「大曲の花火」で試みた。「創造花火の生みの親といわれる佐藤勲さんの教えである『創造花火とはタイトルとのマッチングと今まで見たことのない花火』を胸に、創造花火を考えている」と今野さんは話す。
今野さんは花火業界の中でも突出した「型物花火」の製造技術をもつ。「型物花火はピエロの役目だ」と話す。「主役にはならないが、花火大会の中でお客さんをほっとさせる空間を作ってくれる。子どもにも分かりやすい型物花火は、家族や親子に不思議で楽しい空間を与えてくれる」。平成21年に創造花火の部で最優秀賞を受賞した「えっ!アフロでマンボ!?」ではアフロの髪型を繊細に表現。独創的な切り口の花火に、会場からは歓声が沸き起こった。
花火大会では「北日本の花火、おもしろそう」と思ってもらえるようなタイトルを付ける。「優勝することも大事だが、記憶や印象に残る花火というのが、良い花火の条件といわれている。これからも他社とは違う発想で、独創的な花火を心掛けていく」と目標を語る。観客全員を楽しませるという思いが詰まった「北日本らしい花火」が私たちを笑顔にしてくれるに違いない。

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