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自治体の皆さまへ

[特集] 包括的民間委託の取り組みを紹介します

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秋田県大館市

■未来の良質なインフラの創造に向けて

市では、老朽化が進む道路・橋・公共施設などのインフラにかかる維持コストの削減や、それに関連する業務の負担軽減などを目的として、インフラの保守点検や修繕・改良などの業務を複数年にわたって包括的に民間に委託することにより、事業者による創意工夫やノウハウを活用し、効率的な管理を行う「包括的民間委託」の取り組みを進めています。
令和3年6月に、国土交通省から「包括的民間委託の導入検討を支援するモデル自治体」として選定され、現在は、比内全域と十二所地区を対象に試行導入を進め、主に道路・河川の維持管理に関する業務を、地元企業5社からなる共同企業体(JV)に委託しています。
今後は、試行導入により得られた効果や課題の検証・改善を行いながら、同様の取り組みを市内全域に広げ、順次、道路・河川の維持管理と関連性の高い除雪作業や、公園・教育施設などの公的施設の維持管理などに業務範囲を拡大し、行政サービスの維持・向上に努めます。
このような取り組みを通じて、市では、従来の手法を見直し、新しい価値観を行政・企業・市民との間に共有することで、限られた資源(資金・人材)を柔軟に配置し、人口減少が進む中でも、良質なインフラで、市民の暮らしを支え、幸せを感じられる、持続可能な暮らしづくりの実現を目指します。

◆包括的民間委託のメリット
〔市民〕
道路補修や除草など暮らしに身近な困りごとへの対応スピードや質の向上につながる。
〔大館市〕
従来業務の負担の軽減により、インフラ管理の効率化や新たな行政サービスの提供につながる。
〔民間企業〕
労働力の安定確保と計画的な設備投資によるマネジメント力と技術力向上につながる。

◆Interview
~実際に参加された企業のかたにお聞きしました~
共同企業体構成企業(代表)
笹谷建設
笹谷博久 代表取締役

昨年、「大館市道路等包括管理業務」に関する方針が市から発表された際、対象となる比内地域・十二所地区の事業所を主体とする5社で企業体を構成し、事業に応募しました。
包括的民間委託の特徴の一つとして「性能発注※1」があげられますが、従来、市と結ぶ契約はほとんどが「仕様発注※2」でした。
私たちとしても、ずっと仕様発注の工事に携わってきましたので、性能発注への意識の切り替えがすぐにはできず、戸惑いもありましたが、有志企業で先進地域への視察見学に伺うなどして、不安解消に努めました。
今回は試行導入であり、性能発注は道路の除草だけでしたが、従来の機械での除草に加え、安全と効率に配慮して除草剤を散布したり、道路清掃車を使用したりとこれまでのやり方にとらわれず、目的と状況を判断して企業みずから工夫を凝らして作業を行うことができ、包括的民間委託の利点を感じました。
今回、この取り組みに参加し、「性能発注の利点を発揮し民間企業ならではの自由度を生かした創意工夫をしていきたい」「安全で暮らしやすい地域の創造のため、地域の各種団体の方やボランティアの方々との連携も視野に入れたい」という思いを持っています。

◆従来の委託業務
大館市
・市が実施
巡回・調査
・個別発注単年度契約
A社 側溝清掃
B社 路面補修
C社 除草

▽主に仕様発注
※2 仕様発注:業務に関する詳細な要件(手段・構造・材料など)を設定した仕様書を作成し(市側)、記載されている基準や規格を満たすように施工する(企業側)必要がある。

◆包括的民間委託
大館市
・包括委託契約複数年契約
・企業体
巡回・調査
道路管理
河川管理
公園管理

▽主に性能発注
※1 性能発注:詳細な手段や仕様を定めずに、規定されている品質や水準を満たしていれば、受注者の蓄積された技術やノウハウを活用し、業務の効率化やコスト削減が見込める。

◆委託業務の一例
管轄道路沿いの草刈り業務
損傷した道路の補修作業
道路・河川の巡回業務

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