■最近よく聞かれる「成瀬ダムはいつできるの」
「また、成瀬ダムやってるよ!」と妻の声。
いつだったか「東成瀬村が出てる」の声に、テレビの前に急ぐも、既に村の話題は他に移っていた。そのときも「ダムの話題」だった。「成瀬ダム」とウェブを検索。そうするとかなりの数がヒットする。ダム建設に導入されている「世界初の技術・自動化施工システム(クワッドアクセル)」が注目されているようだ。
今朝のテレビは、時間を十分に割いて「成瀬ダム」を取り上げていた。鹿島建設が進める「成瀬ダム」の建設現場。稼働するブルやダンプが映し出された。ズームアップされた運転席に人の姿がない。無人運転だけならば、飛躍的な進化を遂げるAI(人工知能)と結びつけられなくもないが。そのオペレーターも現場にいないとなると事は違ってくる。オペレーターは現場から遠く離れた神奈川・小田原市の管制室にいるという。しかも、最大14台の建設機械をたった3人でコントロールするというから、驚きは想像をはるかに超えてゆく。
自動化施工システムは「建設機械の自動化」にとどまらずに、建設に関わる「働き手や熟練労働者不足」の問題、現場の「負担軽減」や「安全性向上」につなげる狙いもあるという。成瀬ダムは、その施工システムに限らず、ダムの特徴である水をせき止める堤体も話題を集める。「台形CSG」と呼ばれる堤体は、日本が生み出した最新のダム形式だそうだ。現地発生の石や砂れきを基材にセメントと水を混ぜ、その名のとおり、堤体の断面を上流も下流も同様の勾配(台形)にした工法であると言われる。従来のコンクリート工法に比べ、無駄の少ない、コストと工期の大幅なカットにつながると。なにより、環境(自然)に配慮したやさしい工法であるらしい。
「成瀬ダムはいつできるの」。最近よく聞かれる。話題多き成瀬ダム。その中味をリアルに伝えられないもどかしさがある。ウェブサイトで知り得た生半可な知識では説得力に欠けるが、それでも「故郷」の話題を振られることはうれしい。これから、もっと、もっと聞かれると思う。常々、きちんと伝えられたらと思うのだが。
toko
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