お医者さんが今伝えたいまめ知識
横手興生病院(横手)
榊田理惠 医師
■発達障害を知る…脳の多様性
私の外来には、さまざまな困難を持つ子どもたちが(大人たちも)来てくれます。なかでも主流は発達障害がある方々です。
発達障害がある子どもたちは、脳の働き方に特徴があり、独自の認知や行動パターンを示します。主な発達障害には、自閉性スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。
ASDの子どもたちは、社会的コミュニケーションや対人関係の形成に困難を感じることがあります。また、特定の興味に強くこだわる、日常のルーティンの変化に敏感に反応する、などがあります。ADHDの子どもたちは、注意力の維持が難しく、衝動的な行動をとることがあります。多動性も特徴的で、じっとしていることが苦手な子も多いです。LDの子どもたちは、読み書きや計算など、特定の学習領域で困難を抱えることがあります。
これらの特性は一人一人異なり、同じ診断名でも症状の現れ方はさまざまです。重要なのは、発達障害を単なる『障害』としてではなく、『脳の働き方の多様性』として捉えることでしょう。適切な支援と理解があれば、これらの子どもたちも自身の強みを生かし、健やかに成長していくことができますから。
発達障害は、脳の働き方の違いと言い換えることもできましょう。一人一人の特性を社会全体が理解し、個別のニーズに合わせた支援を行うことで、子どもたちも健やかに成長し、社会に貢献できる大人へと成長していくことができるのです。
横手市医師会HP
【URL】http://yokote-ishikai.sakura.ne.jp/
<この記事についてアンケートにご協力ください。>