今年7月、十文字地域にオープンした丸美商店。店主の内藤渉(ないとうわたる)さんは『横手の美味(うま)いを追求し、新たな旨(うま)いを創造する』ため、地元の発酵食品を使用した横手味噌中華を開発。ラーメンを通じて地域の魅力も発信しています。
■子どもの頃の夢は?
小学校の文集にはコックになりたいと書いていましたが、明確な夢ではありませんでした。しかし、この店の場所は祖父と父が呉服屋を営んでいた場所で、「自分はここで生きていくんだ」という気持ちは昔からありました。
■起業したきっかけは?
呉服屋は父の代で廃業し、その父が他界した時に「空き店舗となったこの店を何とかしなければ」と強く思いました。また、食品製造会社に勤めていた時に、専門的なラーメン作りを学ばせてもらい、業務ではスープ部門を担当していました。その経験を生かして地域の魅力を宣伝し、地元へ恩返しをしたいという気持ちが芽生えたことです。
■店名の由来は?
家族が営んでいた呉服屋の屋号を引き継ぎました。のれんのロゴマークにはわが家の家紋を使用しています。
■横手味噌中華の特徴は?
スープの元ダレは、横手市産のみそを中心に数種類のみそを独自にブレンドしています。横手のみその特徴である米こうじの甘さをラーメンで生かすため、県内の酒蔵が醸造した純米酒と酒粕を配合した元ダレも使用しています。このスープづくりには4カ月もの時間を費やしました。
■起業して思うことは?
お客様のことを考えた店づくりに時間がかかり大変でした。あと資材の高騰ですね。知人が工務店を経営していたこともあり、店舗づくりの相談に乗ってもらいました。
起業して良かったと思うことは、お客様と接し、直接的な意見をもらえることです。それと自分で時間を調整しながら、子育てや仕事の仕込みなどを行えることですね。
■今後起業を目指す方へ
一つだけでなく、さまざまなスキルを身に付けることが大事です。ラーメン店だけでもメニュー開発や店づくり、経営や宣伝などのスキルが必要です。私自身さまざまな職種を経験し、学び得たスキルが起業に役立ちました。
・地場産の食材を意識して使うことが地域の魅力発信のひとつと語る内藤さん
・座席はカウンター席のみ6席。店内の照明などの装飾の一部は内藤さんが担当
・横手のみそのうまみや香りを感じることができる横手味噌中華。麺は専用の特注麺を使用
▽横手味噌中華 丸美商店
所在地:横手市十文字町西上46–13
【電話】42–3215
営業時間:午前11時~午後2時
定休日:不定休
※定休日や駐車場などの情報は、Instagramをご覧ください
問合せ:起業に関するご相談は…商工労働課
【電話】32-2115
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