■歴史好き市長のつぶやき〈第98回〉
横手市長 髙橋大
秋田と台湾を結ぶチャーター便が昨年12月から運航されており、横手市にも台湾のお客さまが多く訪れています。台湾は北が亜熱帯、南は熱帯地域ではっきりした四季がありません。そのため雪がとても珍しく、手に取ってみたり、写真を撮ったりして楽しむ姿を見かけました。
さて、親日家で知られた台湾の政治家である李登輝(りとうき)元総統は2007年に秋田県を訪れています。その際私は国際教養大学での講演を聴講しました。日本統治下時代の教育を受けた李氏は「高い精神と美を尊ぶ心の混合体が日本人の生活である。私は自我の思想を排除して客観的立場をとることで正しい解決方法を考えられた」と話していました。台湾の方とお会いすると本来の日本の良さを分かっていると感じますし、お互いに学びあえる国だと思っています。
今年は寒気の影響が弱いため暖冬で雪が少なく、除雪作業に追われることもあまりなくとても過ごしやすい冬ですが、2月臨時議会で除雪費の追加承認をお願いしました。除雪費が余っていると思われがちですが、除雪業者への最低保証と、燃料価格や輸入原料で作られる融雪剤が高騰しているための補正予算です。11月中旬に雪が降ることもあり、秋口近くには出動体制を整えるなど今の気候に合わせた除雪体制にしています。かつてのお金のかけ方と違ってきていますので、ご理解をお願いします。
李登輝…京都帝国大学や台湾大学などで学んだ。1988年に初の台湾出身の総統となり、積極的な民主化を推進した。2020年死去。
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