お医者さんが今伝えたいまめ知識
平鹿総合病院
髙橋俊明 医師
■新型コロナ感染症
当院での2020年から2024年3月までの新型コロナ感染症診療数を集計したところ、入院者数は545人でした。多い時には連日平均3人が入院しており、初期のアルファ、デルタそして後期のオミクロンへと株が変化するにつれて、コロナ肺炎は減ったものの、患者の高齢化率および、重篤(じゅうとく)な基礎疾患による死亡率は上昇していました。高齢者では倦怠(けんたい)感や体動困難、食欲低下による入院が目立ちました。
一人の患者が平均で何人に感染させるかの指標である基本再生産数(R0)は、季節性インフルエンザでは1・3ですが、コロナオミクロン株では5・5~24で、その感染力の強さは驚異的です。しかも発症2日前から発症後5日目頃まで感染力がある上、無症状の例もしばしばです。施設や病院での集団発生を防ぎきることは難しく、扱いが5類になったとはいえ、そのたびに医療に大きな負担を強いています。
コロナは毎年夏と冬に大きな流行の波を作ってきました。今後も通年で流行を繰り返すでしょう。まさにウィズコロナの時代です。7月末の発表によると、感染者数は11週連続増加中で、お盆に向けて更に上昇しそうです。治療薬やワクチンの自己負担が今後の動向に悪影響を及ぼさないか危惧しています。
横手市医師会HP
【URL】http://yokote-ishikai.sakura.ne.jp/
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