石川理紀之助翁による宮崎県都城市山田地区での農業指導が縁で、平成22年から始まった学校間の相互交流。令和6年度は、本市3中学校の生徒9人が令和6年12月12日から14日まで都城市を訪問し、都城市立山田中学校の生徒の皆さんや地域の方々との交流を図りました。
1日目、晴天の空の下、たくさんの方々に出迎えていただき、交流会がスタートしました。初日は理紀之助翁の友、前田正名ゆかりの前田用水路・関之尾の滝を見学しました。
2日目、山田中学校で授業体験や「りきのすけカルタ」での交流後、給食をいただきました。給食には追加で、特産の地鶏炭火焼きやチキン南蛮を地域の会の方から差し入れていただき、お腹も心も大満足でした。その後、理紀之助翁に師事した竹森重二の子孫・竹森和昭氏のお宅で、保存している貴重な資料を拝見しました。山田中学校の生徒が直筆の掛け軸や手紙を紹介してくれたり、潟上と都城で交わされた手紙を拝読したりしながら、当時の交流の様子について学びました。竹森氏が我々の訪問を涙ながらに喜んでくれる姿に、つながりと絆の深さを感じずにはいられませんでした。
3日目、島そのものがパワースポットと言われる青島を観光し、多くの恵みを受けた一行は帰路につきました。
都城市の児玉晴男教育長からは「石川理紀之助翁は、貧しかった山田地区の住人に寄り添い、共に過ごす中でどうしたらみんなが豊かに暮らせるかを考え、指導してくれた。現在、都城市では畜産・農作物の生産が大変盛んで、ふるさと納税日本一となっている。これも石川翁が築いてくれた土台のおかげだ」というお話があり、現在に至るまで、連綿と続く絆の深さを改めて実感することができました。
■生徒の感想 3日間を振り返って
天王南中学校 鈴木ひかりさん
私は今回の旅で心に残っていることが3つあります。1つ目は石川理紀之助翁が残したものについてです。私は今まで理紀之助翁がどんな人なのか、何をした人なのかがはっきりと分かっていなかったけれど、都城市でいろいろな話を聞いたり、実際に自分の目で見たりしながら詳しく学ぶことができました。この交流がなかったら、ずっと分からないままだったと思うと、農業を発展させ、宮崎と秋田をつないでくれた理紀之助翁に感謝して生きようと思いました。
2つ目は、笑顔の大切さです。山田中に行く前は、どんな学校なのか、仲良くなれるだろうかなどを考えると不安で緊張していました。実際に行ってみると、山田中の皆さんが笑顔で話しかけてくれたおかげで、出会ってからすぐに打ち解けることができました。笑顔はとても大切だと実感することができました。特に初めて会う相手のことを何も知らない時は、笑顔でフレンドリーに接することで好印象になり、相手も自分も嬉しくなると感じました。
3つ目は、山田中で行った生徒会のグループディスカッションです。意見を出し合い、充実した話合いになりました。司会の人が、どんな意見を言えばいいのか分かりやすいように「自分はこう思う」などと先に例を話してくれたので、意見が出しやすかったです。このようなリードする力も天南中に必要だと感じました。
今回の交流は、本当に充実した楽しい3日間でした。人との関わり方やタイムマネジメントなども学ぶことができました。この交流で学んだ多くのことを生活に役立てていきたいです。学んだこと、楽しかった思い出、仲良くなった人たちのことを私は一生忘れません
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