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法の広場

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秋田県鹿角市

■裏付け
先日、ムツゴロウさんが亡くなりました。会話文と家族の話が多いこのコラム、実は彼の文章のマネです。ムツゴロウさんみたいな弁護士になりたいと思い、彼の著作はほぼ読みました。ただの動物好きのおじさんにも見えますが、本職は作家。何日も寝ないで英語の論文を読みこむような「裏付け」のある人でした。裏付けがあるからこそ、ゾウやヒグマとやりあえたのだと思います。
弁護士の裏付けといえば法律知識や洞察力ですが、依頼者に集めてもらわないといけない裏付けもあります。それが「証拠」です。契約書、借用書、現場写真、録音、メール、DNA、証言してくれる証人など。裁判官は、全てお見通しの神様ではなく、普通の人です。普通の人が、誰から見ても公平な判断をするには、どうしても証拠が必要になります。
例えば、誰かに「嫌なこと」をされて怒鳴りたくなる場面ってありますよね。でも、そこで怒鳴ってしまえば、相手を警戒させ、証拠は隠されてしまいます。グッとこらえて、ニコやかに相手の名前や素性を聞き出しましょう。証拠を集めるためにはこの初動がとても大事です。その後、使える法律と有効な証拠が何かを調べ、「嫌なこと」をされた証拠を積み重ねます。もちろん相手には秘密。証拠がそろえば形勢逆転。裁判や交渉が有利になります。粘着質な僕は、相手を泳がせつつ、何年もかけて証拠を集めることもあります。
逆に、証拠を残さないように口先だけで立ち回る人とは関わらないことです。その人は、悪巧みと責任逃れを考えている詐欺師だからです。
トラブルを避ける意味でも、普段から簡単な証拠を集める癖をつけましょう。領収書、契約書は必ずもらう。電話のときは相手の氏名と所属を聞く。写真を撮るなど。そして、集めた証拠は無くさないでくださいね!

志賀貴光弁護士(Takamitsu Shiga)
法テラス鹿角法律事務所
所在地:花輪字下花輪50番地 福祉保健センター内(2F)
相談受付時間:9時~17時30分
※要予約

問合せ:法テラス鹿角法律事務所
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