◆行政相談
◇被災地における行政相談の活動状況
令和6年能登半島地震の発生を受け、行政相談では、被災者への支援メニューの情報提供、関係機関と連携して被災者の困りごとの解決を図る特別行政相談等を行っています。
本稿では、これらの取組についてご紹介します。
行政相談における主な取組の1つ目として、市町の支援メニューの内容や相談窓口等、生活支援情報をまとめたガイドブックを市町や避難所に配布しています。
2つ目は、災害専用フリーダイヤルの開設です。石川県全域を対象として、被災された皆さまへ、どのような支援策があるか、どこに相談したらよいかなどのご相談に対応しています。直接お答えできない場合でも、支援措置を講じている関係機関などと協力して、情報を提供しています。
3つ目は、関係機関が一堂に会してワンストップで相談対応する特別行政相談所の開設です。市町をはじめとする関係行政機関や行政書士等と連携して、申請から受付までその場でできるよう取り組む相談所を、避難所等で開設しています。例えば、罹災証明書や被災した車の永久抹消登録について、行政書士が申請書作成を代行し、関係行政機関がその場で申請書の受理を行うなどの取組を行っています。
こうした取組を通じて、現場で把握したニーズや被災された方から汲み取った困りごとについては、内容に応じて適宜、関係機関に情報提供・調整するなど、解決に向けた活動を展開しています。また、全国的にこのような取組例を共有し、緊急時にも迅速に現場のニーズや困りごとを把握し、解決を図っていくような取組を、今後も継続してまいります。
■現地で活動した職員インタビュー
石川行政評価事務所
行政相談課長
室屋 圭亮
元日の発災直後から特別行政相談活動の準備等を行い、本省、中部管区行政評価局をはじめ、全国の職員の支援を受け、1月第2週目にガイドブック配布やフリーダイヤルによる電話相談を開始、また、第3週目以降は特別行政相談所の開設(5月28日現在、石川県下全19市町の72か所)や能動的行政相談活動(避難所等を訪問し管理者等の声・悩みを聴く活動、約80か所)を実施しています。
被災された方と接して思うのは、悩みが明確な方は少なく、話をするうちに整理されていく方が多いということです。電気・ガス・水道・道路等のインフラは復旧してきていますが、被災された一人ひとりに目を向けると、罹災証明書の二次調査や再調査を申請中で被害の程度が確定していないため受けられる生活再建支援策等の内容も定まらないなど、今後の見通しが立たないという方がまだまだいらっしゃいます。また、建設が進む仮設住宅へ県内外の2次避難先などから入居される方も増えていくものと考えられます。こうした方々からの相談も見込まれることから、これからも奥能登地域を中心として息長く行政相談活動を行い、被災された方を支援していくことが重要だと感じています。
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