公共インフラとしての電話リレーサービスは、令和3年7月1日の提供開始からもうすぐ4年を迎えます。
「電話リレーサービス」は聴覚や発話に困難がある方(以下「きこえない人」といいます。)ときこえる人の会話を、通訳オペレータが手話または文字と音声を通訳することにより、電話で即時双方向につなぐサービスです。現在では、約16,000人以上のきこえない人にご利用いただいております。
令和7年1月23日からは、難聴や中途失聴など自身の声で話したいけれど電話で相手先の声が聞こえにくいことがある方(以下「きこえにくい人」といいます。)などにも使いやすい、文字表示電話サービス「ヨメテル」が提供開始されました。
今後、より多くの方に「電話リレーサービス」と「ヨメテル」をご理解いただき、音声電話と同様の連絡手段として知っていただけるように、サービスの概要などをご紹介します。
■電話リレーサービスとは
「電話リレーサービス」は、きこえない人と、きこえる人との電話を、通訳オペレータがリアルタイムにつなぐサービスです。きこえない人は手話または文字で通訳オペレータに伝え、通訳オペレータは伝えられた内容を音声で受け手側(きこえる人)につなぎます。その後受け手の発言を通訳オペレータは手話または文字できこえない人に伝えます。電話リレーサービスは「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」(令和2年法律第53号)に基づき、令和3年(2021年)7月1日から公共インフラとして開始されました。
電話は国民の日常的な、また社会経済活動における基幹的な通信手段であるにもかかわらず、電話リレーサービスが開始される以前は、きこえない人が電話を利用したい場合、家族や職場の同僚などに代理電話をお願いする必要などがありました。電話リレーサービスが公共インフラとして提供されるようになってからは、ご自身で緊急通報を行ったり、24時間365日いつでも都合の良いタイミングで電話をかけたり受けたりできるようになり、きこえない人の自立した日常生活および社会生活の確保に大きな意義を有しています。
■様々な場面で使用される電話リレーサービス!
電話リレーサービスの利用者は、令和3年7月のサービス開始以降年々増え続けており、現在では約16,000人以上が登録しています。1 ヶ月間でおおよそ3万件以上の通話が行われており、一日あたり約1,000件程度の利用があります。飲食店や病院の予約から役所等への問い合わせ、110番等の緊急通報まで、一般の電話と同様に、日常の様々な場面において電話リレーサービスは活用されています。
■電話リレーサービスを使ってよかったこと
※令和6年(2024 年)1月に(一財)日本財団電話リレーサービスが実施した「よかったこと調査」を参考に作成
・親として、こどものバースデーケーキの予約を自分でできた。
・出産時、電話リレーサービスを通して病院に連絡することができた。事前に伝えることができたおか
げで、到着後もスムーズに対応してもらえて助かった。
・クレジットカードの不正にあった時、チャットでの対応には限界があったが、手話で対応してもらえた
ことでよく状況がわかり、感動した。
・出先でタイヤがパンクしてしまい、家族にも助けを求められないなか、電話リレーサービスでディーラー
店に問い合わせたところ、親切に対応してもらえた。
・交通事故に遭った際、車内から連絡が取れた。ショックで全身震えている中、手話で意思疎通でき
て助かった。
●電話リレーサービス利用者数の推移
●電話リレーサービスを使って良かった場面(個人)
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