■02 複雑化する社会課題の解決へ
人口減少や少子高齢化などを背景とした社会課題は年々複雑化、多様化しています。
このような状況の中だからこそ、県民の幸福度の向上に向け、官(主に行政)と民(住民や企業)がそれぞれの立場を越え、互いの強みを生かしながら社会課題の解決に取り組むことが必要です。県ではそのための環境づくりに取り組んでいます。
●case1 地域振興の糸口に
県と中之条町の共催で、六合地区の特産であるドライフラワー「KUNI FLOWERS」をどのように盛り上げていくか、民間企業や学生と考えるワークショップを開催しました。
ドライフラワーをブランド化してウエディング事業や店舗の装飾に利用することや、群馬の特産品とコラボレーションさせるなど、多くのアイデアを得ることができました。今回のセミナーだけにとどまらず、今後もさまざまな業種や立場の人と一緒にまちづくりを進めていけたら嬉しいです。
中之条町 地域共創課
市川琢朗さん
▽セミナー参加者の声
普段、自治体や他業種の人と接する機会が少ないので、今回のセミナーで地域や産業の需要を新たに知ることができ、参考になりました。今後も同様のセミナーに参加するなどして、当社の新規事業開発に生かしたり、参加者同士で連携したりできると面白いと思います。
株式会社ヨコオ(富岡市)
中澤 宏之さん
●case2 誰もが安心して使える乗り物を開発したい!
株式会社山田製作所 新規事業開発部
五十嵐武巳さん
交通弱者が安全で自由に移動できるマイクロモビリティ※「ラクティボ」を開発した山田製作所の五十嵐さんに話を伺いました。
※マイクロモビリティ…自動車よりコンパクトで手軽な移動車両の総称
「ぐんま未来イノベーションLAB」を活用して製品開発を始めました。まずはどんな車両が求められているかを調べる必要があり、渋川伊香保温泉観光協会の協力の下、伊香保温泉の石段街周辺で実証実験やアンケートを行いました。その結果、幅広い世代から多くの意見を得ることができました。
また前橋工科大学の学生と共にモーターの制御技術を開発する中で、新たな気づきが得られました。このようにさまざまな立場の人に協力いただけるのは、官民共創の強みだと感じました。
今後も自治体や異業種の企業などと連携しながら群馬県の産業を盛り上げる一助になりたいと思います。
●case3 人とアイデアが交わる場所で
行政と民間企業や団体がつながりを持つ機会は少ないため、県では県庁32階にある「NETSUGEN」で官民共創ができる機会の創出を進めています。この場所で生まれた官民共創事業の1つを紹介します。
・ニンジンとレモンの爽やかなジュース 400円
・シルクスイートの皮ごと食べる干し芋 千円
・新商品 8大アレルゲン不使用!サクサク食感のクッキー 300円
・自然な甘さと酸味のブルーベリーソース 650円
・特産品「高山きゅうり」のたまり漬け 500円
▽自慢機
「NETSUGEN」で自治体や企業と交流する中で、地域の名産を多くの人に知ってほしいと思うようになりました。そこで昨年6月に県内市町村の自慢の名産を販売する「自慢機」を「NETSUGEN」に設置しました。自治体の周知力もあり、たくさんの人に利用してもらっています。
今後も県や市町村と考えを共有し、互いの強みを生かしながら新しいことを実現していきたいです。
株式会社駐車場をさがせ 代表取締役
船越谷尚彦さん
「NETSUGEN」で紹介を受けた「自慢機」のコンセプトに共感して山岸さんに話をつなぎ、高山村の名産販売に向けてすぐに準備に取りかかりました。
このように新しいアイデアが共有され、実現できる場は貴重だと思いました。
高山村 地域活性化起業人(※)
藤田直樹さん
※地域活性化起業人…自治体が民間企業の社員を一定期間受け入れ、そのノウハウを生かして地域活性化を図る制度
宣伝の知識や経験が豊富な民間企業と新しい挑戦がしたいと思い、今回「自慢機」の活用を決めました。これをきっかけに高山村の新商品も生まれました。今後もこういった連携から村の新たな価値を生み出していきたいと思っています。
高山村 地域振興課
山岸栄さん
船越谷さんが「自慢機」を活用する自治体を探していたとき、村のプロモーションに悩む高山村に声をかけました。今後も「NETSUGEN」の利用者の思いやアイデアを聞き、同じ思いを持った人をつなげることで、事業の実現を支援していきたいです。
県庁デジタルトランスフォーメーション課
阿久津陽子さん
昨年6月、下仁田町の名産の販売から始まりました。
現在は高山村の名産を3月まで販売しています!
問い合わせ先:
県庁未来投資・デジタル産業課【電話】027-226-3331
県庁デジタルトランスフォーメーション課【電話】027-226-2331
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