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全ての子どもが共に学び合う学校へ~群馬のインクルーシブ教育~(2)

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群馬県

■上陽小学校ってどんな学校?
上陽小学校のインクルーシブ教育の特長を紹介します!

上陽小学校
教務主任 三輪和寛さん

現在の日本では、小・中学校と特別支援学校、通常の学級と特別支援学級を分ける、いわゆる分離型の教育が主流です。しかし上陽小学校では「スーツケースではなく風呂敷で」優しく包むような、緩やかな枠組みで子どもたちを育てることに力を入れています。
ブロックチーム担任制により複数の担任で子どもたちを見守ったり、校内支援室「YUMEルーム」を用意したりすることで、どの子どもにも校内で安心できる居場所をつくっています。

●ブロックチーム担任制
学年を超えて4人の教員で4つの学級を担任しています。担任は1日で交代したり、1週間で交代したりするなど、ブロックによって変わります。児童は複数いる担任の誰にでも質問したり、悩みを相談したりすることができます。
緩やかな枠組みの中で多くの教員や児童と関わることにより、さまざまなコミュニケーションが生まれ、子どもたちの多様性や寛容性が高まることが期待できます。

▽ブロックチーム担任制の例
※詳細は、本紙またはPDF版をご覧ください。

▽児童へのアンケート
Q.担任の先生が何人もいたり、教科によって先生が変わったりすることについて、どう感じますか?

▽児童の声
・複数の担任がいる方が相談しやすい(4年生)
・慣れるのに時間がかかり、恥ずかしかったり緊張したりする(4年生)
・つまらないと思う教科があっても、担任が変われば楽しい気持ちになれる(6年生)
・先生によって態度を変えてしまう(6年生)

●校内支援室YUMEルーム
学校には行けるけれど、教室には入りづらい時などに、気持ちを落ち着かせたり、学習のサポートが受けられたりする教室です。教室以外に児童の居場所をつくることで、登校のハードルを低くし、不登校を防いだり、登校復帰を促したりします。

●学年や学級を超えた校外学習
1・2年生、3・4年生、5・6年生と2つの学年を合わせて校外学習を行います。学年や学級を超えたグループ作りで交流も活発です。通常の学級と特別支援学級の分け隔てなく、全ての児童が参加できるように工夫を凝らしています。
3・4年生はみなかみ町でハイキングやラフティング、「ミニチュアツリーハウス作り」など、それぞれの特性に合ったものを選び、自然体験学習に取り組みました。6年生の修学旅行では車椅子を使用する児童も利用できるバスの手配や、現地のルートの工夫など、全ての行程で他の児童と一緒に活動することができました。

▽3・4年生合同の校外学習(みなかみ町)
通常の学級と特別支援学級(知的障害、情緒障害)の分け隔てなく、ハイキングやラフティングに参加しました

■おいもでぺったん♪
県立伊勢崎特別支援学校との交流および共同学習

今年度、上陽小学校の特別支援学級と県立伊勢崎特別支援学校ではオンラインや対面で交流および共同学習を行っています。

上陽小学校
特別支援学級担任
廣明怜さん

昨年より、県立伊勢崎特別支援学校小学部3年生の児童6人と私が担任する学級で、交流および共同学習を行っています。
11月には、上陽小学校で採れたサツマイモを使ってスタンプを作り、作品を共同製作しました。子どもたちは自分で好きな色やスタンプの形を選び、力を合わせながら自分の気持ちを表現していました。今後は図工以外の教科や、通常学級も参加した交流および共同学習を行うことも計画しています。
子どもたちが持っている個性はそれぞれ異なります。一人一人の目標に到達できるように、子どもたちの学びをどう見守り、支援するか、どのようなカリキュラムを設定するかなど、教職員で検討し工夫していきたいです。

■ぐんまインクルーシブフェスタ2024
県では昨年12月に、年齢や性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、誰もが楽しめるイベント「ぐんまインクルーシブフェスタ2024」を開催しました。特別支援学校の児童生徒による作品展「ハートフルアート展」や高校生と特別支援学校高等部の生徒によるステージパフォーマンス、作業学習で製作した縫製、木工、陶芸などの製品販売があり、多くの人でにぎわいました。

・県立渡良瀬特別支援学校と桐生市立商業高校による和太鼓×ダンスコラボ「遊駒」
・質の高い作業製品に与えられる統一ロゴマークを付与された製品

問い合わせ先:県庁特別支援教育課
【電話】027-226-4651

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