■周囲のつながりが後押しに
世界パラ空手道選手権大会で金メダル
今井俊浩さん・50歳(天川大島町)
10月24日から29日までハンガリーのブダペストで開催された第5回世界パラ空手道選手権大会に出場した今井さん。8月の全日本大会で敗れた相手と世界大会の決勝戦で再戦し、勝利した今井さんが視覚障害の部で金メダルを獲得した。
今井さんが空手を始めたきっかけは、小3の頃に実家で実施された空手教室を見学したこと。そこで恩師に出会い、着実に力をつけ全国大会に出場。現在は道場を開き、館長として子どもたちの指導もしている。3歳の時に網膜色素変性症と診断された。
「人と会話する時は相手の顔を中心に円形状で胸辺りまでしか見えません。床でストレッチしている教え子を踏んでしまう時もあります」と語る。
高校卒業から30歳まで空手から離れていたが、友人に恩師の道場へ誘われた。県パラ空手の監督を務める恩師の勧めもあり、42歳で全日本パラ空手に初出場し初優勝を飾った。
「競技に戻ることはないと思っていましたが、自分より若く同じ病気で活躍する人や同年代が素晴らしい形を打つ姿を見て、負けてられないと奮起しました。障害者だから恥ずかしいではなく、きれいな形を打てない方が恥ずかしい。指導する子どもたちから刺激を受ける部分もあって、一人だったら世界大会に行くことは無理でした」と語る。今井さんの挑戦は続く。
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