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熱中人 136

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群馬県千代田町

■崇城大学名誉教授
◇町からアートを発信したい
三枝泰之さん(赤岩出身・66歳)
三枝泰之さんが小学3年生の頃、夏の写生大会で利根川の絵を描いたそうです。何気なく描いていた絵について先生に質問されました。「この川のグラデーションは意図的に描いたのかい」と。思わず「はい」と答えたのですが「実は青色の絵の具が無くなってしまったので、自然と色が薄くなってしまった」と笑う三枝さん。偶然ながらも絵の才能を褒められたのが嬉しかったことを今でも覚えているそうです。
高校で美術部に入部し、本格的なデッサンなどを学びました。新宿やお茶の水の予備校にも通い芸大に進学するために美術の勉強に励んでいましたが、美術の先生の推薦で和光大学に進学。そこで日本の戦後美術を牽引・批評する針生一郎教授や(※1)二科会の理事を務めた藤沢典明教授のゼミで研究したことが今の三枝さんに大きな影響を与えたそうです。大学卒業後、親の薦めもあり、高校の美術教師を目指して採用試験を受けますが不合格。三枝さん自身もただ絵を描くだけではなく「領域を超えた表現をしたい」という思いから、赤坂でアシスタントデザイナーとして働き始めました。下積み時代を経て、その後、フリーのデザイナーとして独立。地道に活動を続け、仕事も軌道に乗り新宿御苑前にデザインオフィスを主宰しました。
時は流れ、2000年頃、(※2)DTPが台頭してくると、一般の方でもソフトとPCがあれば簡単にデザインの仕事が出来るようになりました。そんな状況に憂慮していたところに熊本県で崇そうじょう城大学芸術学部の立上げのメンバーとしてのオファーがあり助教授として着任。やがて人工的な環境と自然をテーマに「火山・アート・人間」と題し阿蘇の高森町にある廃校を利用した現代アートのフェスティバルを開催。2014年から6年間阿蘇の5市町村に海外アーティストを滞在制作させる「アーティストイン阿蘇」の審査員などの活動をしました。昨年はチェコで作品発表、トルコ・イスタンブールでは日本の舞踏グループを引率し国際芸術祭に参加。また11月にワルシャワの国際会議で自身のアート活動を発表したそうです。そして、2021年には崇城大学名誉教授の称号を授与されました。
最後に三枝さんは「今後は千代田町で『赤岩のアトリエ』を開き展覧会・読書会や滞在制作などを行いたいです」と笑顔で話しました。
(※1)二科会…1914年に結成された日本の美術団体の1つ。「太陽の塔」などの作品で知られる岡本太郎氏とも縁が深い。
(※2)DTP…デスクトップパブリッシングの略。パソコン上で印刷物データを製作すること。

■「赤岩のアトリエ」 実行委員会員募集
実行委員会を作り呼びかけたいと考えています。関心のある方は下記までご連絡ください
連絡先(三枝)【E-mail】lunacy@gol.com

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〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

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