百万遍行事とは、鎌倉時代に京都で始まり全国各地に広まったという悪疫退散を祈願する民間信仰です。鐘を叩く役の人を中心に、参加者が車座になり、大数珠を回しながら「南無阿弥陀仏」と繰り返し唱えるこの行事は、昔は村の集落ごとに行われていましたが、今では数カ所となりました。そのうち天神川沿いの寮と呼ばれるお堂で行われる9区の百万遍について、自治会長さんの小山広一さん(65歳)にお話をうかがいました。
■百万遍の行事はこどもの頃から参加していましたか?
4年前、自治会役員になってからの関わりです。以前はこの周辺の何軒かのまとまりで行われていましたが、10年くらい前に9区全体にお知らせをして、区で行う行事にしました。
■数年前に見学させていただいた時、皆さん笑顔でナンマイダと唱え、その後に大数珠を一気に外に引きずり出す(疫病を祓う意味)所作の時、どっと楽しそうな歓声が上がって、とても印象的でした。
あと、百万遍の日の午前、役員はね、八幡様のお札を竹につけて、区内の決められた場所に立てに行くんですよ。結界をして、村の境からこちらに疫病が入ってこないようにする意味ですね。
■9区の百万遍は8月1日と開催日が決まっていますが、コロナ禍中の3年間は開催できませんでしたね。今年はどうでしょうか。
4年ぶりに開催します。時間は13時30分からです。久しぶりなのでわからないことばかりですが、会員の皆さんのご協力により開催することになりました。ご参列、参加をお待ちしております。
■村民のみなさんにお伝えしたいことはありますか?
百万遍に限りませんが、地域行事について、住民への周知が足りないと感じます。地域のつながりのためにも、まずどんな行事があって、どんな内容なのか知ってもらいたいと思います。
ありがとうございました。
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