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歴史にふれる

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茨城県かすみがうら市

■千代田の山々と歴史遺産
今月は、山を愛する市民学芸員・宮田憲一(みやたけんいち)さんが、「山の歴史遺産」について語ってくれました。

本市の北西部、石岡市(旧八郷町)との境は、筑波山系の山並みになっています。ここ数年、ハイキングで訪れる人も多くなりました。この山々には山頂らしい山頂がなく、西側の標高約400mの剣ヶ峰(パラボラ山)から、東に4.5km行った標高約100mの権現山(御野立所(おのたてしょ)とも呼ぶ)に続く長い尾根歩きが楽しめます。実はこの山中には、珍しい歴史遺産があります。

○権現山に飛行場?
権現山登山口の右側に、人工的な平場があります。太平洋戦争末期、ここに飛行場が建設されたと伝わっています。奥に分け入って行くと、斜面を抉(えぐ)り取ったような場所が2カ所あります。これは飛行機を隠すための掩体壕跡(えんたいごうあと)です。特攻兵器「桜花(おうか)」の改良型をカタパルトのようなもので発進させ、帰還は考えていない飛行場だったのでしょうか。その他、山中に飛行機が墜落し、8人の死者を弔った「航空殉難碑」などの戦争遺跡もあります。

○こんな山中にお不動様?
上佐谷集落から沢を遡上していくと、岩が立ちふさがり、水源らしき場所に突き当たります。この岩の洞(ほら)状の場所に、白滝不動(しらたきふどう)と呼ばれる線刻の高さ70cmほどのお不動様が祀られています。昔は大切な水源だったようですが、今ではほとんど忘れ去られています。その他、雪入の山中には寛保3年(1743)に建てられた高さ5mの拾光寺観音(じっこうじかんのん)、上志筑の閑居山(かんきょさん)の山中には鎌倉時代に彫られたと伝えられる百体摩崖仏(ひゃくたいまがいぶつ)などもあります。摩崖仏の近くには、江戸時代の百姓一揆で獄門となった義人・福田与惣左衛門助六(ふくだよそうざえもんすけろく)を祀った助六地蔵(すけろくじぞう)もあります。
知られざる歴史遺産がたくさんの千代田の山々。ネイチャーセンターを拠点に散策してみてはいかがでしょうか。

問合せ:歴史博物館
【電話】029-896-0017

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