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歴史にふれる

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茨城県かすみがうら市

今月は、志戸崎の市民学芸員・貝塚久美子(かいつかくみこ)さんが、地域のお寺と集落の関係について語ってくれました。

■地域の寺院とコミュニティ志戸崎集落の慈眼寺
志戸崎集落のほぼ中央に位置する青龍山慈眼寺(せいりゅうさんじがんじ)は、真言宗寺院で南北朝時代に開山したと伝わっています。ご本尊は木造十一面観音菩薩立像で、市の指定文化財になっています。
山門の左側には、「筆子塚(ふでこづか)」の石碑があります。この石碑は、江戸時代に慈眼寺の寺子屋で読書算術の師匠を務めた浅野南嶺(あさのなんれい)の遺徳を偲び、筆子(教え子)が建てた供養塔です。石碑の立派さから、多くの筆子がいたものと考えられ、弟子を愛し、弟子から慕われた素晴らしい教育者の姿を垣間見ることができます。また、お寺が「学びの場」として集落の人々と密接に関わっていたことを感じられます。
お寺の役員の方にお話を伺うと、小さい頃に本堂の裏山で遊んだことや学校の夏休みには境内で早朝のラジオ体操をしたことなど、子どもの頃の思い出を次々に語ってくれます。その楽しげな口調からは、お寺を身近な場所と捉える精神風土を感じます。
地域の人々から親しまれた慈眼寺は、昭和49年に本堂の大規模修理が行われ、盛大な落慶法要が執り行われました。
新しくなった本堂では、先人のバトンを引き継ぐかのように女性の講師によるそろばん教室が営まれました。本堂は、学童のにぎやかな声がこだまする、とても居心地の良い空間であったといいます。
このそろばん教室は、平成10年頃まで行われていたそうです。現在、慈眼寺は住職不在のお寺ですが、檀家の協力でその歴史が守り伝えられています。静かな境内のきれいに掃き清められた参道を歩くと、歴史の風を感じることができ、時には小鳥のさえずりも聞こえてきます。
お近くにお越しの際には、ぜひ慈眼寺へ散策にお立ち寄りください。
所在地:志戸崎788(歩崎公園から徒歩約6分)

問合せ:歴史博物館
【電話】029-896-0017

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