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歴史にふれる

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茨城県かすみがうら市

■市内の地名伝説
今月は、「市民学芸員の会」の会長を務めている深井征一郎(ふかいせいいちろう)さんが、市内の地名について話してくれました。

○歩崎観音と「歩崎」の由来
歩崎観音に関する書物「略縁起(りゃくえんぎ)」には、次のような伝説が記載されています。
『ある時、霞ヶ浦の三又沖(みつまたおき)で商船が悪風に遭い、転覆してしまいました。絶体絶命の危機を迎えた船主は、「南無観世音大菩薩」と唱えました。すると、陸のほうから、たいまつを持った観音様が水上を歩いてきて、船を陸に運んでくれました。往来の船に難事がないのは、ひとえに観音菩薩のご加護のおかげなのです』
この伝説によると、観音様が水面を歩いて助けに来てくれたことから、この土地が「歩崎」と呼ばれるようになったとのことです。

○日本武尊伝承と「稲吉」の由来
古墳時代の初め頃、日本武尊(やまとたけるのみこと)(日本古代史上の伝説的英雄)が東国を巡りました。房総半島より常陸国へ進み、当時広大な内海であった霞ヶ浦から、入り江となっていた荒張川(あらはりがわ)(現在の天の川)へと船を入れ、現在の下稲吉香取神社のあたりに上陸しました。従者は、周辺から稲わらを集め、長い舟旅で疲れた日本武尊が休むための寝床を作りました。身を横たえた日本武尊は、「これはよい稲だ。寝心地がよい」と言ったそうです。このことから「稲吉」という地名が誕生しました。

この他にも、宍倉・牛渡・志筑・清水・雪入などの地名にも面白い由来や言い伝えがあります。図書館で「出島村史」や「千代田村の民俗」を読んで、お住まいの地域の地名を調べてみると、歴史や文化が身近に感じられるでしょう。

問合せ:歴史博物館
【電話】029-896-0017

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