■筑波山塊の花崗岩と粘土
○筑波山塊の粘土
筑波山塊を形作る花崗岩(かこうがん)は、風化することで粘土になることが知られています。そのため、周辺地域では、この粘土を使用してさまざまな焼き物が作られてきました。縄文土器に始まる日常生活に必要な器類はもちろん、建築材としても古くは寺院の屋根瓦、近代以降には民家の屋根瓦などが生産されるようになりました。
○新しい焼き物「つくば焼」
市内出身・在住の陶芸家である都賀俊雄さんは、市内で採掘される粘土を使用してこれまでにない新しい焼き物「つくば焼」を制作しました。「つくば焼」の定義は「筑波山系の山々を形作る鉱物を起源とした粘土を用いて高温焼成した素地と、真空容器の中で放電を起こしてプラズマを発生させ、そこにさまざまな金属を高温で蒸発させてその金属粒子をイオンにして加速し、真空容器内にセットされた陶芸作品の表面に結晶を形成する処理法を施して制作された器」と説明されています。歴史的に人との関わりが古い粘土を用いながらも、科学的な手法を施した点が非常に革新的です。「つくば焼」の最大の特徴は、まるで虹やオーロラのような、その発色にあります。光の加減や見る角度によっても表情を変える、神秘的な焼き物です。
○「つくば焼」の企画展を開催
歴史博物館では、陶芸家都賀俊雄さんと「つくば焼」の企画展を令和7年1月11日(土)から3月23日(日)まで開催します。ぜひ、ご来館いただき「つくば焼」の神秘的な輝きを目の当たりにしてください。また、筑波山塊の粘土産業や「つくば焼」の秘密に触れる関連イベントなども実施しますので、併せてご参加ください。
問合せ:歴史博物館
【電話】029-896-0017
■美術(陶芸)都賀俊雄(つがとしお)さん
昭和14年、本市生まれ在住の陶芸家。昭和48年に美術教師を辞職し、陶芸の道に入る。
湖山(こざん)の匠(たくみ)登録者
※詳細は、本紙またはPDF版掲載の二次元コードよりご覧ください。
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