■帰宅願望
認知症の方が「家に帰りたい」という旨の訴えを繰り返したり、荷物をまとめるなど、帰宅につながる行動を「帰宅願望」と言います。
先日、私自身が入院することがあり、同じ病棟に認知機能の低下からか帰宅願望を訴える方が入院されていました。入院した初日から看護師の方々に向けて「もう帰るから」、「帰らなければならない、迎えに来るから」と何度も繰り返し訴えており、とても不安そうな表情をされていました。看護師の方々は、適切な対応をされ「もう少し、仕事をお願いしてよいですか?」、「お仕事大変ですからお茶でも」と促し、ナースステーションへと誘導していました。どうやらその方は、認知機能の低下から入院といった状況を把握することができずに仕事をしている認識でいたのかもしれません。ナースステーションへ戻ったその方の表情は、先程とは違い、穏やかな表情になっていたことが印象に残っています。
帰宅願望は、慣れない場所にいるなどの不安により、安心できる場所へ帰りたいという思いから生じると言われます。しかしながら、これらの感情は、認知症の方に限られたものではありません。誰でも、知らない場所や人がいる場に対して不安を感じるはずです。帰宅願望は、問題行動ではないということと帰りたい気持ちやその原因を会話の中で確認したり、汲み取りながらその方に合わせた声かけや対応が必要であると看護師の方々の対応を見て再認識する機会となりました。
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