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シリーズまち・ひと・しごと Vol.55(1)

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茨城県利根町

■利根町花物語
矢口商店/旬花(しゅんか)~yaguchi~

ドライフラワーやレトロな雑貨でおしゃれにディスプレイされた店内。実は100年以上前から続く、歴史あるお店です。今回の「シリーズまち・ひと・しごと」は、様々な時代を乗り越えて、町民の暮らしに寄り添ってきた老舗矢口商店の矢口浩一(やぐちこういち)さんと矢口幸恵(やぐちゆきえ)さんにお話を伺いました。

▽4代続く矢口商店
布川にある矢口商店は、現在の店主浩一(こういち)さんで4代目となる老舗の商店です。創業当初は米と肥料の販売をしており、それからプロパンガスの取り扱いを始め、生花を始めたのは昭和53年頃からだそうです。浩一さんの母と祖母が始めたという生花は、お店に仏花を買いに来るお客さんが多かった事や、自宅でお葬式をする家庭が多かった事から、幸恵さんがお嫁に来た頃もとても忙しくしていたそうです。
「農家さんが多かった頃は、お米の検査や販売もやっていて、生花の繁忙期もすごく忙しかったので、子ども達を両親に預けて、実家に通いながらお店を手伝っていました」

▽「旬花」の始まり
幸恵さんはもともと別の仕事をしていて、繁忙期だけ手伝っていたそうですが、今から約5年前にご主人が体調を崩した事があり、それを機に、仕事を辞めて本格的にお店に立つようになったそうです。
以前からドライフラワーが好きだったという幸恵さんは、空いた時間を使って、お店のディスプレイ用にドライフラワーを作っていたそうです。
「昔から『私のカントリー』という雑誌が好きで、子育て中の空いた時間に、趣味で木工をしたり、パッチワークやカントリードールを作ったりしていました。ドライフラワーも、お店のディスプレイ用に作って、それからリースやブーケも作るようになったのですが、見よう見まねだけでは難しいところもあって。市川にある教室に通って、作り方を勉強して、だんだんといろいろなものが作れるようになりました」
最初はお店のディスプレイ用として作っていたドライフラワーのブーケやリースですが、長女の怜奈さんがマルシェでアクセサリーを販売していたことから、幸恵さんのブーケやリースも一緒に置くようになったそうです。
「長女に『ママのも少し置こうか?』と声を掛けられて、最初は委託のような感じで売ってもらっていました。そこで、自分の作った物が売れた事がすごくうれしくて。それから、私と長女でとねマルシェに出ようかという事になったのが、イベントに出店し始めたきっかけです」

▽名前に込められた想い
イベントに出店する時は「旬花~yaguchi~」という名前を使用している幸恵さん。
「イベントに出る時の名前を考えていた時に、主人が昔、お店の名前を『旬花』っていう名前にするのも良いなって言っていたのを思い出して。イベントの時にはその季節ごとに旬の花を持って行くので、ぴったりだと思って、この名前にしました。そしてそこに矢口商店の『yaguchi』を付け加えました」

▽センスが光る作品とディスプレイ
幸恵さんが製作する商品は、どれもインテリアとして置きたくなるようなものばかり。カラフルでボリュームのあるパンパスグラスも、数年前から人気のある商品だそうです。販売されているパンパスグラスの中には、幸恵さんが自分で染料を調合して色を作って染めたオリジナルのものもあります。
「夏に旬のパンパスグラスを仕入れて、専用の染料で色を作り、1日かけて色を吸わせ、洗い、乾かします。完全に乾いて完成するまでは1週間から10日間程かかります。最近は男性の方で購入してくれる方も結構多いですね。龍ケ崎のイベントに来てくれた男性の方は、結婚して建てたばかりのお家に飾りたいからと、パンパスグラスを買って行ってくれました。その後のイベントでも奥さんと来てくれたりして、お子さんが生まれて1年の時にはお花を飾りたいからと、お店にも来てくれました」
イベントでの出会いをきっかけに、お店に足を運ぶようになるお客さんも多くいるようです。

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