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2月7日はフナの日「鮒の甘露煮」受け継ぎ、次世代につなげたい味

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茨城県古河市

全国にはその地域の特産物を使い、その風土に合った食べ物として受け継がれてきた郷土料理があります。古河市にも次世代に伝えたい大切な味がたくさんあり、鮒(ふな)の甘露煮もその一つです。独自の製法で作られ、伝統の味として昔から地域の人たちに愛されてきました。しかし、生活様式の変化や食のグローバル化に伴い、近年では郷土料理に触れる機会が減少しています。
2月7日は古河鮒甘露煮組合が制定した「フナの日」です。大切な食文化を後世につないでいくためにも、この機会に鮒の甘露煮の魅力を再確認してみませんか。

■甘露煮の歴史
古河市は渡良瀬川と利根川が合流している土地柄から周辺には沼が散在しており、昔から良質な鮒の名産地でした。江戸時代になると日光街道の宿場や船着場が整備され、旅人へのおもてなしとして鮒の煮付けが提供されるようになったことが、鮒の甘露煮の始めといわれています。
現在は市内で鮒が取れなくなったため、素焼きにしたものを仕入れていますが、作り方は昔ながらの製法を受け継ぎ一匹一匹丁寧に仕上げています。
平成23年6月に「古河ブランド」に認証され、古河ゆかりの優れた産品として土産品や贈答用に喜ばれています。

○古河ブランドファミリー カンロくん
住んでいる所:渡良瀬遊水地
誕生日:2月7日(フナの日)
趣味:泳ぎが得意で市内の川を巡回することが日課

■甘露煮の作り方
1 並べる…炭火で素焼きにした鮒を1匹ずつ丁寧に大鍋へ並べていきます
2 煮込む…砂糖と水を加えてから長時間煮た後、しょうゆや水あめなどを加えてさらに煮込みます
3 詰める…1匹ずつ手作業で取り出し冷ました後に、形を崩さぬよう箱に詰めていきます
4 完成…手間暇かけて作られた甘露煮は、丁寧に包装され出荷を待ちます

■ー先人が守ってきた伝統の味を後世に受け継いでいくー
[古河鮒甘露煮組合長] 野村則之さん

○古河鮒甘露煮組合長に話を伺いました
以前は市内に10店舗以上の鮒(ふな)甘露煮店がありましたが、後継者不足などが理由で徐々に減少していきました。現在、鮒甘露煮組合には4店舗が加盟しています。私は幼い頃から後を継ぐつもりだったので、中学生から本格的に店を手伝うようになりました。鮒の甘露煮は、尾頭付きの縁起が良い食べ物としてお歳暮やお節料理に用いられることが多いので、12月は繁忙期。どこにも遊びに行かずに甘露煮を作っていたのは、いい思い出ですね。
同じ鮒の甘露煮といっても、味や食感は店舗ごとに特徴があり、さまざまです。お客さまの多くは先代から続く味を求めているので、どの店舗も昔ながらの製法で変わらない味を守り続けています。ただ、近年はライフスタイルの変化により贈答の習慣がなくなったり、若い世代が食べなくなったりするなど需要は減少傾向にあります。その見た目や、川魚という先入観からどうしても敬遠されがちです。
そうした中、少しでも多くの人に古河の伝統の味を知ってもらうため、組合では市内中学校へ鮒の甘露煮の提供を始めました。初めて鮒を食べたという生徒から「おいしかった」という声を聞くとうれしくなりますね。また、鮒の甘露煮の伝統製法を生かして鮎(あゆ)の甘露煮や豚の甘露煮など、手に取りやすい商品の開発を行ったり、日持ちするように真空パックで販売したりと、各店舗が工夫を凝らした商品作りを行っています。私の店では全国にその魅力を伝えることができればと、ふるさと納税の返礼品提供も始めました。先代から続く製法や味といった根本は変えませんが、今後は時代に合わせた取り組みが必要とされているのかもしれません。
鮒の甘露煮は先人たちが残してくれた古河の大切な財産。しっかりと後世に受け継いでいきます。

■学校給食に提供!
鮒を初めて食べるという生徒も多いですが、生徒からは「甘いタレがご飯によく合う」「骨まで軟らかくておいしい」などの声が聞かれ、毎年好評です。
鮒の甘露煮はその味だけではなく、カルシウムやタンパク質が多く含まれるため栄養満点で給食にぴったり。今年も2月6・7日に市内全中学校に提供される予定です。

■市内組合加盟 甘露煮店紹介
各店舗、味付けや調理法はさまざまです。ぜひ、お気に入りの味を見つけてください

1 木村屋甘露煮店
住所:中央町1-8-10
【電話】22-0679
営業時間:8時~18時
定休日:月曜日
鮒本来の味を大切にしているので、甘さは控えめです

2 野村甘露煮店
住所:本町4-3-14
【電話】32-0882
営業時間:8時30分~19時
定休日:月曜日
みりんを使わない秘伝のタレが特徴です。さっぱりした甘さを楽しめます

3 ぬた屋
住所:中央町3-8-5
【電話】22-4127
営業時間:9時~17時30分
定休日:月曜日
ざらめと地元企業のしょうゆを使い、昔ながらの製法で甘めに仕上げています

4 田村屋本店
住所:古河762-7
【電話】32-5050
営業時間:8時30分~18時
定休日:年中無休
長時間煮込むため、歯のない人でも食べられる程の軟らかさが特徴です

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