■自分にしか描けない絵を
古河の美術界をけん引する油絵作家 山岸裕和(ひろかず)さん(67歳・東三丁目)
歴史ある美術団体「東光会」で、理事・審査員を務める山岸さん。東京都美術館で開催される東光展や、茨城県展で数多くの賞を受賞。また、国内有数の美術展「日展」にも毎年作品を出展するなど、精力的に活動を続ける山岸さんに油絵の魅力などを伺いました。
山岸さんが絵を描き始めたのは38歳の時。当時、絵が趣味だった父親が病気を患い、会話をすることも難しい状況だったため、同じ趣味を持つことで心だけは通わせたいと思ったことがきっかけでした。
会社に勤めながらの制作は苦労が多かったそうですが、絵を描き始めて3年目に東光会一般出品者の最高賞である「東光賞」を受賞。その後も都知事賞などのほか、昨年の茨城県美術展覧会では、見事2年連続で優賞を受賞しました。
描いた物の位置を変えるときに全部を塗りつぶすのではなく、あえて一部を残すことで作者が意図しなかった偶然性が生まれると、山岸さんは話します。「絵は色と形の世界」と教えを受けてきたため、どこに何を描くか、どこに色面を作るかを常に考えているそうです。また、物の固有色にとらわれないという考えも、絵の世界観を広げます。「バナナは黄色」という固定観念を捨てさまざまな色で描くことで、絵に面白さが出ると教えてくれました。
今後は日展での特選を目指し、自身の作品で古河の美術界を盛り上げたいと話す山岸さん。今年も古河現代美術展に出展予定です。ぜひ、ご来場いただき、写真では伝わらない迫力を感じてみてはいかがでしょう。
◇第15回古河現代美術展
期間:11月12日(火)~17日(日)
時間:9時~17時(初日は13時~、最終日は16時まで)
場所:古河街角美術館2階
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