■お祭りがつなぐ地元との縁
和太鼓・篠笛・三味線奏者 酒井奈美子さん(50歳)
日本で始めた和太鼓を世界に広めたいと、シンガポールで和太鼓集団「響屋(ひびきや)」を設立し、代表を務める酒井さん。昨年度には、日本文化の普及に貢献したことが認められ「外務大臣表彰」を受賞しました。お祭りが大好きだという酒井さんが、古河での思い出や今後について語ってくれました。
学生時代はバックパッカーで世界各国を、シンガポール移住後は毎年8月に日本各地の祭りを巡っています。これまで一時帰国のタイミングがなかなか合わなかったのですが、昨年の夏に地元原町のお祭りで篠笛(しのぶえ)を吹く機会をいただきました。いきなり参加した私をとても温かく迎えてくださり、お祭りをきっかけに地元の皆さんとのご縁がつながったことがとてもうれしいです。子どもの時に提灯竿もみまつりに参加したことを伝えると「きっとその時、引率してましたよ」という人もおられました。
これまで、さまざまな地域のお祭りに参加しましたが「自分の生まれ育った地元」にお祭りがあり、参加させていただけることのありがたさを改めて感じています。今年は神輿渡御(みこしとぎょ)と前日の縁日祭りにも参加する予定なので、とても楽しみです。
シンガポールには茨城県人会もあり、古河のお酒を飲んだりすることもあります。なじみのある「古河甚句(じんく)」をシンガポールでも紹介していきたいと思っており、亡き父の友人から音源をもらうなどしました。地元を離れてずいぶん時間が経ちましたが、お祭りをきっかけにつながった地元の皆さんとのご縁を大切にしていきたいと思っています。
~Profile~
1974年4月15日生まれ。古河第二小学校→古河第二中学校→古河第三高等学校→上智大学を卒業。2000年にシンガポールに移住後、2009年に「響屋」を設立。その活動はシンガポールにとどまらず、世界各国で和太鼓を中心とした日本文化を紹介し続けている
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