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国際交流員シュテファニーさんの「MORIYA滞在記」

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茨城県守谷市

■選択肢を持つだけで可能性が広がる
3月8日は、毎年恒例の「国際女性デー」です。昔と比べると男女平等が大きく進歩してきたことは確かですが、まだまだ改善の余地があると思っている女性は各国に多いのではないでしょうか?
日本では「ドイツは男女平等の先進的な国」といったイメージを持つ人が少なくないようですが、実はドイツにも男女の給料の格差や、民間企業で女性役員が少ないといった大きな課題があります。
一方、政界を見ると、日本に比べ、女性の政治家が割と多いことが確かに目立ちます。16年間にわたって首相を務めたアンゲラ・メルケル前首相もその1人で、現在のショルツ内閣の閣僚は男性が9人、女性が7人で、画期的な男女比です。なお、ドイツ連邦議会の女性議員比率は現在35%で、同数からはまだまだ遠いです。
政治家をはじめ、研究者や自営業者などとしてキャリアを積み、たくさんの人に自分のことを覚えてもらうことはとても大事で、「自分」というブランドの代表的なものといえば「顔」と「名前」ですね。キャリアを積んでいく途中に名前が変われば、他人から見れば今までの実績と、これからの実績はまるで別人のモノのように見えます。出世の妨げになる恐れすらあります。
ドイツでは、1976年まで結婚の際に女性が男性の苗字に変えることが義務でしたが、それ以降どちらの苗字にするかは自由に選べるようになりました。そして、夫婦別姓が認められたのは1994年で、ちょうど30年前です。従って、ドイツでは結婚する際「(1)片方の苗字を選ぶ」「(2)夫婦別姓にする」「(3)片方が複合姓にする」、という3つの選択肢があります。いうまでもなく、2017年に合法化された同性婚の場合も同じです。
ドイツの異性婚を見れば、実際に最も多く選ばれているのは、一番伝統的な選択肢「女性が男性の苗字に変える」で、4分の3を占めます。多数は昔のままのやり方で満足していると言えますが、残りの4分の1にとって他の選択肢があることはきっと大きな意味を持ち、そのおかげで生活やキャリアが円滑になる可能性が実に大きいと思います。それだけでなく、選択できることによって多数派にとってデメリットや権利の縮小があるわけではありません。
「昔からの文化だから」と主張し、社会の変化を拒否する声もありますが、文化は不変なものではなく、常に変わっていくものだと思います。

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