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国際交流員シルビアさんの「Moriya’s diary!」

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茨城県守谷市

■ドイツ流! 新年のおみくじ
日本に来てから、クリスマスとお正月の過ごし方がドイツと異なると知りました。ドイツのクリスマスは家族とゆっくり過ごしますが、お正月は友達と祝います。日本と真逆ですね。今月は、ドイツの新年のお祝いに絶対に欠かせないものを4つ紹介したいと思います。
一つ目は、花火です。大みそかの真夜中、ドイツ人はスパークリングワインやオレンジジュースで乾杯し、外にでかけます。31日の夜中だけは、個人での花火が許可され、多くの人がカラフルなロケット花火などを打ち上げます。夜空は明るくなり、あちこちで花火を見ることができます。昔は花火が「化け物を追い出す」ためのものでしたが、現代はただ楽しむ習慣になりました。最近は「環境に悪い」や「動物が怖がる」と言う意見が多く、手持ち花火や電飾を使っている人も増えています。
二つ目の習慣は定番料理です。もちろん、家庭によって違いますが、大みそかの一般的な料理は「ラクレット」というチーズを使った料理です。じゃがいもや好きな野菜に載せて焼いて食べます。
三つ目は、「Dinner for One」というテレビ番組です。1960年代に放送されたイギリスの短い演劇ですが、必ず毎年12月31日の夜にドイツのテレビで放送され、1988年には「世界のもっとも再放送された番組」としてギネスブックに記録されました。なぜイギリスのコメディがドイツでそんなに人気になったかはよく知られていませんが、毎年必ず見る人が多いです。2004年には、1,500万人(当時の人口の約六分の一)が見たそうです。
最後に、四つ目の習慣は「Bleigießen(ブライギーセン)(鉛占い)」です。「Blei」は「鉛」で、「gießen」は「注ぐ」という意味です。占い用のキットはスーパーなどで販売されています。スプーンの上にのせた鉛を熱で溶かして水に落とし、固まった形で新年の運勢を占う風習です。ただ、鉛は危険なので、数年前に禁止され、鉛の代わりにスズ(錫)を使うようになりました。鉛占いは、日本のおみくじのようなものかもしれません。
ドイツにいたときは、私も大みそかとお正月を友達と過ごしました。一緒にラクレットを食べながら「Dinner for One」を見て、12時になったら乾杯し、外の花火を見ました。私にとっての一番いい思い出は、ドキドキしながら楽しむ鉛占いです。占い用のキットにも「馬は仕事運アップ」などと例が載っていますが、固まった鉛がハッキリした形に見えることは稀なので、自分の都合のいい形にこじつけて、ワイワイと決めてしまいます。もちろん、友人たちも笑いながら賛成してくれます。結局どう転んでも自分の願いになるというのは、自分の本当の願いを確認できていいですし、占いの本来の役割なのかもしれません。
今年も私のDiaryをお読みいただきありがとうございました。皆さんも良いお年を。

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