寒い冬、入浴中に頭が「くらくら」すると感じたことはありませんか?
11月から翌年4月にかけて、入浴中に気を失い浴槽の中で溺れる事故が多くなります。特に厚生労働省人口動態統計(令和3年)によると、高齢の方による浴槽内での不慮の溺死などの死亡者数は4,750人で、交通事故死亡者2,150人のおよそ2倍にもなります。
※2024年4月9日 政府広報オンライン「交通事故死の2倍?! 冬の入浴事故に要注意!」参考
■なぜ冬に多いの?
冬の入浴中に溺れる事故が多い原因として、急な温度差による血圧の急激な変化が挙げられます。
暖かい室内から寒い脱衣所、浴室内に入ることで血圧が上がり、温かい湯に入ることで血圧が一気に低下します。この急激な血圧の変化により一時的に意識を失い、溺れてしまうといわれています。
・室内…血圧安定〈暖〉
・脱衣所…寒さで血管が収縮し血圧が上昇〈寒〉
・浴室…血管収縮が加速しさらに血圧が上昇〈寒〉
・浴槽内…熱さで血管が拡張し血圧が低下〈熱〉
■入浴中の事故を防ぐには?
安心・安全に入浴を楽しみましょう!
○入浴前に、脱衣所や浴室を暖めておく
急激な血圧の変動を防ぐため室内と脱衣所、浴室の温度差をなくす工夫をしてみてください。
例)
・脱衣所:暖房器具を使う。
・浴室:暖房設備がある場合は使う。ない場合は、湯を浴槽に入れるときシャワーから給湯する、沸いた浴槽の湯をかき混ぜて蒸気を立て、ふたを外すなどして暖める。
○入浴前に、同居する家族などにひと声かける
入浴中に体調が悪くなった時、早めに発見してもらうことができます。
○かけ湯をしてから入る
心臓から遠い足先の方から肩まで徐々にお湯をかけることによって、体をお湯の温度に慣らすことができます。
○お湯は41℃以下、お湯につかる時間は10分までを目安にする
42℃のお湯で10分以上つかった場合、体温が上昇することで意識障害を起こす危険性があります。お湯につかる時間は10分までを目安とし、長時間つかるのは避けてください。
○浴槽から急に立ち上がらない
お湯から出るときの、一時的な立ちくらみなどを防ぐために手すりや浴槽の縁につかまってゆっくりと立ち上がるようにしてください。
○食後すぐの入浴や飲酒後の入浴は控える
食後や飲酒後は血圧が変動しやすいため、入浴は避けたほうがよいです。
問合先:健幸長寿課 地域ケア推進G 内線174、175
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