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国際交流員シルビアさんの「Moriya’s diary!」

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茨城県守谷市

■ドイツの成人年齢は?
皆さんは海外のニュースを目にすることはありますか? 昨年の5月に行われたEU選挙について、耳にした方もいるかもしれません。その選挙で特別だったのは、初めて16歳以上の若者が投票できたということです。
16歳からの投票を認める理由は、多くの若者がすでに責任感を持ち、現代の政策が今の若者の将来に直接影響を与えるからです。約5年前に、世界的な若者ムーブメント「Fridays for Future」が広まり、世界中の人々、特に学生たちが気候変動の軽減のためにデモをしました。最近、デモは少なくなりましたが、気候変動だけではなく、教育や経済などの政治に関するさまざまなテーマに興味がある若者が増えています。インフレや戦争の影響で、将来に不安を持ち、「何かをしたい」と思っている若者が多いのです。
16歳からの投票に対して批判もありますが、賛同の声が非常に多く、いずれはドイツの連邦議会選挙の投票年齢も16歳からになると思います。ドイツの成人年齢は、1975年まで21歳でした(ちなみに当時のドイツ民主共和国(東ドイツ)では、1950年に成人年齢が18歳になりました)が、現在は18歳の誕生日から成人になります。その理由は、18歳ですでに責任と自分の収入を持ち、一人暮らしをしている人が多いからです。自分で契約を結んだり、車を運転したり、自ら兵役に入ることができたりします(2011年に、ドイツでは兵役義務がなくなりました)。
だからといって18歳未満の若者が、自分の人生について何も決められないというわけではありません。例えば、14歳から両親の同意なく宗教を自由に選ぶことができます。16歳からは、ビールとワイン(ウイスキーなど、その他のアルコールの割合が多い飲み物はダメです)を購入し、飲酒することができます。このルールの目的は、若者が責任のあるアルコールの扱い方を学び、ドイツの飲酒可能年齢の18歳になった時に誤った飲み方をして泥酔するなどを防ぐことです。もちろん、アルコールは体に悪いところもあり、危険なものなので、まだ成長期にある若者の飲酒には反対する声も多いです。ちなみに喫煙は18歳から可能です。
私はドイツの連邦議会選挙の投票年齢が、いつ16歳に引き下げられるか興味があります。私も16歳や17歳の頃、自分の人生や自分の将来について自分で決めたいと願っていました。今の若者は、環境や経済問題などに関心があり、自分たちの将来と関係がある政策について決めることができるはずだと信じています。

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