令和6年12月に、常総環境センターごみ処理場で火災が発生したことはご存じですか?
火災の原因は調査中ですが、同様の火災では、リチウムイオン電池が原因であると多く報告されています。モバイルバッテリーなどの充電式の電化製品は、適切に回収しなければなりませんが、知らずに不燃ごみとして捨てられてしまうこともあります。ごみの適切な処理のために、分別って、とってもとっても、大切なんです。この機会に、ごみの捨て方を見直してみませんか?
令和6年12月9日午後1時27分に資源化施設で火災を確認、消防吏員・消防団員総勢81人、消防車両19台が出動し、消火作業が夜通し続けられ、10日午前10時頃、ようやく鎮火となりました。
■どうして火事になってしまったの?
リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの充電式電池は、強い衝撃により発熱・発火する危険があるため、生活環境課窓口などで回収しています。中でもリチウムイオン電池は可燃性の高い溶剤が使用されており、特に被害が大きくなりやすいです。
不燃ごみを処理する際、機械で袋を破いたり、ごみを細かく砕いたりしますので、その際混入したリチウムイオン電池などの充電式電池が破損し、発火した可能性があります。
■施設で取り除くことはできないの?
センターでは、回収したごみの袋を機械で破いたあと、手作業で危険物を取り除きますが、小さなものや、製品に内蔵されていて見た目では分からないものは、取り除くことができない場合があります。そのため、自分自身で分別して捨てることがとても大切です。
■不燃ごみの回収はどうなってしまうの?
資源化施設で発生した火災により不燃ごみの処理設備が全損し、センター内での不燃ごみの処理が全くできない状況です。施設の修繕には多くのお金と時間がかかってしまいます。また、収集している不燃ごみは、仮置き場に収集し、トラックで外部の施設に運んで処理しており、搬出と処理にも多額のお金がかかります。
◆ごみ処理最前線
常総環境センター資源化施設委託業者
株式会社ジェイオーシー所長 伊藤竜次(いとうりゅうじ)さん
分別誤りによる事故は、大なり小なり例年発生しており、悩みの種となっています。例えば、石はごみとして捨てることはできませんが、漬物石が捨てられることが多々あります。石くらい大丈夫、と思うかもしれませんが、袋を破く機械が破壊され、停止してしまいます。過去には、不燃ごみとして処理すべき針金ハンガーやなべ、フライパンなどの金属類が可燃ごみとして捨てられ、焼却炉で燃やしきれずに停滞。内部の部品を破損させるなどし、稼働停止となる事態となりました。分別することや捨てられないものには、理由があるのです。
また、ごみの種類は社会情勢とともに変化しています。火災の原因として多く報告されるリチウムイオン電池ですが、処理施設が稼働した10年前に比べて、さまざまな電化製品に利用されるようになり、気づかずに不燃ごみとして捨てられてしまうことも多いです。例えば充電式のハンディファンは、リチウムイオン電池が本体に内蔵されています。そのまま不燃ごみとして捨てると、今回のような事故につながりかねないので、ごみとして捨てるのではなく、回収ボックスに持っていきましょう。
今回の事故では、皆さんの不便にならないよう不燃ごみの受入れは停止せず、外部の施設に処理を依頼することで対応しています。
市民の皆さんには、ごみの減量化と正しい分別にご協力をお願いします。
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