▽1位達成の瞬間
「1位になれた時は、本当に感無量でした。それまでの苦労が報われた瞬間でしたが、同時に、これからは追われる立場になるという新たなプレッシャーも感じました」と落合さんは振り返ります。
1位になったことで、注目を浴びるようになり「常に勝って当然」と見られるプレッシャーが増えました。落合さんはそのプレッシャーを「モチベーションに変えていきたい」と語り、さらなる技術の向上とメンタルの強化を続けています。
▽世界大会での経験
今年の8月に北海道で開催された世界大会に日本代表として出場した落合さん。国別代表戦では、もの凄いプレッシャーを感じただけでなく、強風の中での試合に苦戦し、5位という結果で終わりました。
「国内のランキングで1位になったけど、まだ世界レベルの器じゃないんだなってちょっと感じました。こういう大きな舞台で精神が良好な状態でプレーするのは、多分もう少し成長が必要だなと、未熟さを感じたような大会でしたね」と振り返ります。
本戦では、自身が所属する「ビスタ」というチームで出場しました。ビスタでの世界大会出場は3度目となり、チームメンバーとの連携もスムーズに取れていたといいます。「これまでの大会と比べても、今回は一体感があって、いい雰囲気でプレーできました」と落合さんは振り返ります。
しかし、強豪チームが集う中での試合は一発勝負の緊張感が高く、実力に加えて運も大きな要素となりました。「毎回ベスト32で止まってしまうのは悔しいですが、モルックは実力8、運2だと思っています。次の大会は上位を目指したいですね」と語り、さらなる挑戦への意欲を見せています。
▽世界の舞台で得た教訓
世界大会に出場した際に落合さんが世界のトッププレイヤーから感じた事について、教えてくれました。
「海外の選手は、試合で『楽しむこと』を一番に考えているように感じます。試合中もリラックスして、笑顔でプレーしている姿が印象的でした。彼らは、勝つことよりもまず楽しむことを重視していて、その結果として勝利がついてくると考えているようです。
一方、日本の選手は『勝たなきゃ』という意識が強く、試合中も真剣な雰囲気が前面に出ています。勝つことを優先するがあまり、どうしても緊張感が高まってしまうことが多いんです。それなので自分も楽しむこと。今季は楽しんでプレーすることを実践してみようかなっていう風に思っています」と語ります。
▽未来のビジョン
「私の目標は、モルックのプロリーグを作ることです」と落合さんは語ります。
スポンサーを募って、全国にチームを作り、年間を通じて戦うリーグ戦を開催する。まるで野球やサッカーのリーグのように、全国の選手が集まり、熱い戦いを繰り広げる場を作りたいと考えています。
「プロリーグができれば、競技人口も増え、モルックがより多くの人に知られると思います。多くの人と協力しながら、少しずつ形にしていきたいです」と語ります。
さらに、落合さんには指導者としての目標もあります。「モルックに興味を持ってくれる子どもたちに、楽しむことと大会で勝つこと、その両方の魅力を伝えたいと思っています。ただ遊ぶだけでなく、競技の楽しさや目標を持つことの大切さも教えたい」と話します。
教え子がクラブチームとして大会に出場し、自身は監督として成長を見守るのが夢だそうです。「教え子の中から未来のチャンピオンが生まれたら本当に嬉しいですね」と語るその姿には、競技の未来を託す情熱があふれています。
「これからも挑戦を続け、モルックを日本に広めていきたい」と語る落合さん。その熱意が、競技を愛する心を物語っています。
※市公式Instagramにインタビューの動画を掲載しています。ぜひ、ご覧ください。
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