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[特集1]常陸大宮市 有機農業への取り組み(1)

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茨城県常陸大宮市

市では、令和4年度から有機農業を推進しています。今月号では、世界や日本における有機農業の現状や、有機農産物はどのようなものなのかをお伝えするとともに、市内で先駆者として有機農業に取り組む人々に話を伺いました。

◆世界でも日本でも広がる有機野菜
世界の有機野菜を取り巻く状況を見ると、需要、供給ともに年々増加しています。有機食品売り上げは増加しており、2020年では、約14.2兆円の市場規模があります。さらに、需要の拡大に合わせ、生産者側も拡大を見せており、世界の有機農業の取り組み面積は、1999年から2020年の間に約6.8倍に拡大しています。
日本でも有機野菜を広げる取り組みを行っています。平成18年には「有機農業の推進に関する法律」が施行され、それに基づき、全都道府県が「有機農業推進計画」を策定しました。さらに、令和3年には、持続可能な食料システムの構築に向けて「みどりの食料システム戦略」を策定し、2040年までに有機農業技術の確立、2050年までに日本の田畑に占める有機農業の取組面積の割合を25%に拡大するという目標を定めています。推進の効果もあり、日本国内での市場規模は2009年に1,300億円であったのが、2022年には2,240億円にまで成長しました。また、有機農業の取組面積は過去10年で約5倍に拡大しています。

・みどりの食料システム戦略(農林水産省)

出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」(令和5年6月)

◆知っていますか?有機農業のあれこれ
◇そもそも「有機農業」って?
化学肥料、化学農薬を使わずに農産物を栽培するのが有機農業です。ただし、全ての肥料・農薬を使えないわけではなく、農林水産省が有機農業で使用可能と認めた堆肥や天然由来の成分で作られた肥料・農薬(※)は使うことができます。
有機農業は、一般的に行われている栽培方法と比較して「よく実らない」「虫や雑草対策に手間がかかる」などといったイメージがあるかもしれません。しかし、有機農業の栽培技術は確立しつつあります。さらに、豊かな土を育むという大きなメリットもあります。環境負荷低減に大きな影響力を持つ有機農業。まずは知ることから始めてみませんか?
※作物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合のみ

◇有機農産物の証「有機JASマーク」
農林水産省に認められた登録認証機関の検査を受け、認証された田や畑で作られる農産物が「有機農産物」として販売されます。有機農産物にはその証として、パッケージなどに有機JASマークが入っています。

◇有機JASマークを付けて販売するまで
有機的な栽培を始めたからといって、1年目に栽培した農作物を有機農産物として販売することはできません。正式に有機JASマークを付けて販売するためには、最短で2年の月日がかかります。
まずは、1年間、有機農業の基準に沿って農地を管理することで、有機の認証を受けるための申請を出すことができます。有機農業2年目に、登録認証機関の検査を受けて合格となれば、「転換期間中」と表示した有機JASマークをつけて販売することができます。そして、3年目に正式な有機JAS認証を取得することで、有機JASマークをつけて販売ができるようになります。
市内の一部スーパーや道の駅などでも有機農産物の取り扱いがありますので、ぜひ有機JASマークに注目してみてください。

◇「有機JASマーク」の認証まで
・1年目…化学肥料・農薬を使わず、土に残る化学的な成分を半減させる
・2年目…「転換期間中」と表示した有機JASマークを付けて販売可能に
・3年目…正式な有機JAS認証を取得し、有機JASマークを付けて販売可能に

◆茨城県内有数の有機農業先進地である常陸大宮市
有機農業の取り組みは、「子供たちに有機野菜を食べてもらいたい」という思いからスタートしました。JA常陸の協力のもと、令和4年から有機野菜の栽培を本格的にスタートさせ、学校給食で使用しやすい作物を中心に、種類や収穫量を増やしています。
また、三美地区、鷹巣地区に有機農業モデル団地を設置し、「茨城県環境負荷低減事業活動の促進に関する基本計画」における特定区域としました。この特定区域を中心に、市をあげて有機農業を推進しています。

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