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自治体の皆さまへ

眼科受診のススメ

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茨城県桜川市

さくらがわ地域医療センター眼科統括医/今井康久
今月号では、さくらがわ地域医療センター眼科統括医である今井康久(いまいやすひさ)医師が目の病気について、その予防法や健康に過ごすための知識などのお役立ち情報をお届けします。
コロナ禍も5月から分類が変わり、約3年に及んだ多くの行動制限が解除され、行事も再開されて日常が戻りつつあります。この3年余り、厳しい状況のなか、眼科では病院診療や入院手術を、延べ1,000件以上行いました。

◆見えにくさは年齢のせいではない
これまでさまざまな地域で眼科診療を行ってきましたが、この地域の患者さんには、見えにくくなっても歳のせい、もしくは生まれつき目が悪いから仕方ないと思われている方が多く「視力が悪くなっているのは歳のせいでも、生まれつきでもありません」とお話しすると、驚かれる患者さんが少なくありません。
また、毎月、内科やかかりつけ医には受診しているのに、眼科の定期受診はしていないという患者さんが多いのもこの地域の特徴のようです。
現在、桜川市の人口は約3万7千人、そのうち65歳以上の高齢者は35%です。65歳以上の方の多くは目の病気があり、80歳以上についてはほとんどの方に白内障があります。また、高齢者に限らず、40代、50代であっても、極端な近視や老眼のある方で緑内障のリスクを抱えているのに気が付かずにいる患者さんも多くいます。

◆早めの受診が生活の質を保つ
目の病気の多くは、初めのうちは自覚症状に乏しいため気づきにくく、見えにくさに気づいたときにはすでに重症化していることもあります。長生きしても目が見えなければ運転もできなくなりますし、生活の質も低下してしまいます。
白内障手術によって交通事故や癌(がん)、心疾患による死亡率を下げるだけではなく、認知症の予防にもなることは大規模調査による論文でも証明されています。
高齢であれば手術のリスク、疼痛(とうつう)、回復に要する時間、全てが高くなりますので、早期に発見して治療を開始することが大切です。
この機会に、ご自身の目が本当に悪くなっていないのか、病気なのか年齢によるものなのか、治るのか治らないのか、確認するためにも一度、眼科の受診をお勧めします。
私は生活の質を保ちながら長生きしていただくことが、眼科の地域医療の役目だと考えています。

◆安心して眼科を受診してください
当院では複数の医師によるチーム医療制を導入しており、再診の予約は医師の専門に応じて取っていただくシステムになっていますが、どの医師に最初に診てもらったとしても、手術が必要な患者さんの相談は私が必ずお会いします。手術の必要性や問題点をご説明したうえで、手術をご希望される患者さんは日程を決める、という流れになります。
当院では、昨年度、最新の白内障手術機器を導入しており、よほどの重症でない限りは当院で手術することが可能です。白内障手術は、基本1泊2日の入院で対応しておりますが、現在、3か月ほど手術をお待ちの患者さんがいらっしゃいます。手術相談を希望の際は、なるべくご家族同伴にて早めのご受診をお願いします。

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