喫煙は、がんをはじめ循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、糖尿病、歯周病など、多くの病気と関係しており、予防できる最大の死亡原因であることがわかっています。今回は喫煙がどのような影響を自身や周囲に及ぼすのかご紹介します。
■市民の喫煙状況
令和5年度の喫煙者の割合は男性35.7%、女性9%であり、受動喫煙の機会が「ほとんど毎日」「時々あった」人の割合は25.7%でした。これは、4人に1人は受動喫煙(本人は喫煙しなくても、身の回りのたばこの煙を吸わされてしまうこと)をしている状況です。
■妊娠・出産への影響
妊婦の喫煙率は令和4年度から0%になっていますが、産後・育児期間中の喫煙率は横ばいとなっています。
妊娠や出産への影響として、早産・低出生体重・胎児の発育遅延などが挙げられます。妊婦本人の喫煙だけでなく受動喫煙であっても、乳幼児突然死症候群(SIDS)の要因となることがわかっています。
■たばこの害は周囲にも
喫煙者が吸っている煙だけではなく、たばこから立ち昇る煙や喫煙者の吐き出す煙にも、ニコチンやタールなど多くの有害物質が含まれています。
受動喫煙との関連が「確実」と判定された肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)の4疾患について、超過死亡数(本来想定されている死亡者数より増えた数)を推定した結果によると、日本では年間約1万5千人が受動喫煙で死亡しており健康への影響は深刻です。
■受動喫煙を防ぐには
喫煙者から放たれた煙は、空中に拡散してしまい、「換気」や「ベランダで吸う」などの分煙をしても、受動喫煙を防ぐことができません。
また、空調・空気清浄機では、たばこに含まれる有害物質をすべて除去することができませんので、非喫煙者の健康を守るには、完全に禁煙するしか方法はありません。
自身の健康のためにも、周りの人のためにも禁煙に取り組みましょう。
(出典:受動喫煙-他人の喫煙の影響e‐ヘルスネット)
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