■第16回企画展「酒器あれこれ」開催
令和6年12月ユネスコは、日本の「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録することを決めました。
伝統的酒造りとは、米や麦などの原料をこうじを使って発酵させ、日本酒や焼酎、泡盛、みりんなどを造る日本古来の技術です。本市にも酒造りの伝統があり、江戸時代前期の元禄9年(1696年)の真壁町内には20軒の酒造業者があった記録が残されています。現在でも市内では2軒の酒造業者が営業しています。
今回歴史資料館では2月4日(火)~5月6日(火)まで、お酒に関わる企画展を行います。展示品の中からいくつか見どころを紹介しましょう。
まずは「徳利(とっくり)」です。現代では日本酒は瓶や缶パックに入ったものを購入することがほとんどですが、江戸時代から戦前ごろまでは量り売りが主流でした。買う人は徳利を持って酒販店に行き、樽(たる)に入った酒を徳利に詰めてもらいお金を払うという仕組みです。その際に使用した徳利が「通い徳利」「貧乏徳利」などと呼ばれるもので、販売元が購入者に貸し与えます。徳利には店名や酒の銘柄が書かれ、店の宣伝になると同時に客が他店へ行ってしまうのを防ぐ効果もあったようです。
次に紹介するものは「盃(さかずき)」です。盃はお酒を飲むための器ですが、明治時代以降店名やお酒の銘柄名を入れた宣伝用や、様々な行事や戦地への出征・帰還などを祝って知人に配るためのものが作られるようになります。
最後に紹介するのは酒樽の「栓」です。日本酒は樽に入れて貯蔵・出荷されていましたが、その樽の穴をふさぐ木の栓です。展示品は真壁伝承館を建設する前の発掘調査で出土したもので、この地にあった真壁陣屋(江戸時代の藩の役所)で使われたものだと考えられます。通常であれば腐ってなくなってしまう木の栓ですが、泥の中に埋まっていたので形が残りました。当時のお役人たちが飲んだものでしょうか。
企画展ではこの他にもお酒や酒宴に関わる品々を展示しています。ぜひご覧ください。
問合せ:教育委員会文化財課 文化財グループ
【電話】58-5111
【電話】75-3111
(代表)
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