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水戸の城さんぽ 其の一

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茨城県水戸市 クリエイティブ・コモンズ

水戸の城についての連載を始めるでござる!

■水戸の城館(じょうかん)~市内にお城がこんなに!?
「城」と聞いて、皆さんはどんな姿を思い浮かべますか?
水をたたえた広い堀からそびえる石垣、瓦葺(ぶ)きの天守閣──そんなイメージを抱いている方が多いのではないでしょうか。
実はそのような城は、江戸時代に発達した形態の城。国内には3~4万もの城があったと考えられていますが、江戸時代に存在した城は約200程度で、全体の1%にも及びません。日本の城の99%以上は、平安時代の終わり頃から安土・桃山時代に、大地を削ったり、盛ったりして築かれた土造りの中世城館なのです。
ここで、「城館」という用語について説明しましょう。城とは、土塁や堀といった防御施設が備えられたものが一般的です。ところが、城跡をよく調べてみると、土塁や堀があったとしても、簡単に乗り越えたり、またいだりできるような、とても防御には向かない開放的なものも、かなり多く存在していることが分かります。こうした開放的なタイプの多くは、地方領主の館跡(やかたあと)と考えられています。つまり、「城」は防御重視の閉鎖的なもの、「館」は統治中心の開放的なもの──という整理ができますが、実際にはその中間的なタイプが沢山あり、はっきり分類することはできません。そのため、城と館を合わせた意味を持つ「城館」という用語が生まれました。日本の城の多様さをよく表した用語といえるでしょう。
さて、市内に城館はいくつあるのでしょうか。平成30年度~令和4年度の5年間をかけて、県教育委員会が「中世城館跡総合調査」という学術調査を行い、県内全域にいくつ城館があるのかを調べました。
その結果、県内では1250、市内では61の城館の存在が確認できました。この中には関連遺跡や伝承地、所在不明城館などが含まれており、より詳しい検証が必要なものもありますが、総数が把握できたのは画期的な成果といえます。
市内で確認された61の城館は、知名度の高い「水戸城」などのほか、村人が守った「村の城」や、領主間の対立の最前線に築かれた「境目の城」など、バラエティに富んでいます。そこで次回からは、総合調査の成果をもとに、水戸の多様な城館の魅力をわかりやすくお伝えしていきます。どうぞご期待下さい。
歴史文化財課 関口慶久

問合せ:歴史文化財課
(【電話】306・8132)

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