「119」
24時間365日、駆け付けてくれる救急車。安心して生活を送るためになくてはならない存在です。
しかし、今、救急車の出動件数は増加しており、このままでは救える命が救えなくなってしまうかもしれません。
救急車をめぐる状況は危機的な中、一人でも多くの命を救うために、1秒を争っている現場に迫ります。
■救急出動件数が過去最高を記録
近年、水戸市の救急出動件数は増加の一途をたどっており、令和5年は1万8228件で、過去最高となりました(グラフ1)。1日に約50件出動していることになります。
また、令和5年の搬送人数のうち、入院を必要としなかった軽症者の割合は、半数を超えています(グラフ2)。
■搬送先の病院がなかなか決まらないことも
到着した救急隊は、急病人やけが人に必要な処置をしながら、どの病院に搬送するのが良いのかを判断して、病院に電話をかけます。そして、搬送する病院が決まってから現場を出発します。
しかし、救急出動件数が増加していることで、病院も忙しくなっており、搬送先が決まらないケースが増えています。
救急隊が到着しても、搬送する病院がなかなか決まらない搬送困難事案(※)が急増しています(グラフ3)。救急車内に傷病者を収容してから現場を出発するまでに、1時間以上かかるケースも決して珍しくありません。
(※)病院問合せ4回以上かつ現場滞在時間30分以上の事案
■救急車が到着するまでに時間がかかるように
市内では、ドクターカーを含め、10台の救急車が稼働しています。119番通報が入ると、通報場所から1番近い消防署の救急車が出動します。
しかし、救急出動件数や搬送困難事案件数が増加していることで、1番近い消防署の救急車が出動中で、不在のケースが増えています。そのような場合は、2番目に近い消防署、そこも不在だと、3番目に近い消防署と、だんだん遠くの消防署の救急車が出動することになります。
病院から消防署へ帰る途中の救急車が近くを走行していて、通報後、すぐに救急車が到着することもありますが、基本的に救急出動件数や搬送困難事案が増加すると、救急車の到着時間は遅くなってしまいます。
令和5年の救急車が到着するまでの時間は、11・3分でした。5年前と比べると、2分以上伸びていることが分かります(グラフ4)。
心停止した際に、救命処置をとらないまま10分を超えると、生存が極めて難しくなるとされています。
救える命が救えなくなってしまうかもしれない―
今、救急車をめぐる状況は危機的です。
問合せ:救急課
【電話】221-0126
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