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茨城県笠間市

■天気痛について
笠間市立病院看護師 小川恵理子(おがわえりこ)
天気がくずれるときに、「頭が痛い、めまいがする、体がだるい…」などの症状を経験したことや聞いたことがあるのではないでしょうか。「気圧の変化」によって引き起こされるこれらの症状は、「天気痛」と呼ばれています。近年、多くの人たちが天気痛の症状を抱え、悩んでいると考えられています。
天気痛の症状には、頭痛・めまい・肩こり・耳のトラブル・気管支喘息(ぜんそく)・古傷の痛み・心の不調・関節痛・自律神経の不調などがあります。天気痛の原因と考えられているものに、内耳(ないじ)の感受性の高さ、脳の過敏性、自律神経の乱れなどがあります。天気痛の症状がある人は、一般の人に比べ3倍ほど内耳の感覚が敏感だというデータがあります。また、気圧の変化に伴って自覚症状を訴える方は女性が多く、年代別にみると、若い方に頭痛が多く、加齢とともに肩こりや首こり、関節痛の割合が増えていく傾向があるようです。
つらい症状を少しでも和らげるために、日頃から天気痛の予防が効果的です。耳の周りの血行が悪くなると、内耳がむくんで過敏になり、天気痛を起こしやすいと言われています。内耳の血行をよくするためには、耳の後ろにホットタオルや温かいペットボトルをあてたり、日頃からイヤーマフラーや帽子などを着用したりして、耳を冷やさないようにしましょう。また、両耳を手でつまんで上下左右に引っ張ったり、つまんだまま回したり、手のひらで耳全体を覆い、後方向に円を描くようにゆっくりと回したりしてみましょう。耳と耳の周りをもみほぐすことで、血行が良くなって予防につながります。そして、規則正しい生活を送る、朝食を食べる、日中に軽い運動をする、入浴はシャワーだけで済まさずぬるめの湯舟につかる、ストレスをためないなど、自律神経を整えることも予防につながります。最近では、気象予報士による気圧予報などの情報を活用し、痛みが起こるタイミングを予測して早めに鎮痛剤を内服する方法もあります。それでも頭痛がつらいときは頭痛外来や内科外来、めまいがひどいときは耳鼻科外来、関節痛がつらいときは整形外科外来の受診をおすすめします。
日ごとに秋も深まる10月。空気が澄み渡り、爽(さわ)やかで過ごしやすい季節がやってきました。今年の夏は、猛暑日が続いて体調を崩した方も多かったと思います。自律神経を整えるための規則正しい生活や十分な睡眠、適度な運動など、できることから始め、天気に左右されない体質を目指しましょう。

問合せ:市立病院
【電話】0296-77-0034

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