市内で創業100年以上の事業者に、「歴史」「工夫」「想い」などの話を聞いてみます。笠間には老舗がたくさんありますので、皆さんもぜひ足を運んでみてくださいね。
笠間といえば「笠間焼」。前回(令和5年9月号)のパート1に続き、今回は3つの窯元をご紹介します。
(価格表記はすべて税込です)
■奥田製陶所(おくだせいとうじょ)
江戸時代後期(今年で170年余り)
住所:笠間市下市毛45
【電話】0296-72-0717
営業時間:午前9時~午後5時(定休日/木曜日)
笠間藩主が産業振興に設けた6か所の仕法窯(しほうがま)(御用窯(ごようがま))のひとつ。「笠間陶芸修行工房スタジオnido(ニド)」や創業当初からの屋根をそのままに改装した「ギャラリー山源(やまげん)」には未来の陶芸家たちの多彩な作品がずらり。笠間焼の奥深さと可能性を感じに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
▽インタビュアーが感じた100年続く秘密
歴史ある窯元を「奥田製陶所」として先代が新たに命を吹き込んだ1973年が一つのターニングポイントだそう。陶芸以外の背景も持ち、渡米して海外の文化も学んだ現在の3代目は、海外を含めさまざまな方々を受け入れ、未来の陶芸家たちの育成に力を入れています。伝統の継承とともに新しい風を取り入れながら歩んでいることが長く愛される秘密だと感じました。
■大津晃窯(おおつこうよう)
江戸時代後期(今年で150年余り)
住所:笠間市手越68
【電話】0296-72-4323
営業時間:午前9時~午後5時(不定休)
江戸時代に始まったとされる笠間焼の歴史とともに歩んできた窯元。広々とした体験工房(芸心館(げいしんかん)、創美館(そうびかん)、陶遊館(とうゆうかん))や駐車場が完備され、学校や団体など大人数での陶芸体験(ろくろ2,750円~)が人気。昨年に店舗リニューアルを行い、新しくモダンな雰囲気に生まれ変わりました!
▽インタビュアーが感じた100年続く秘密
「東京五輪(1964年)頃のプラスチック等への転換、東日本大震災や新型コロナによる営業不振がピンチとして大きかったが、とにかく作ることをやめず、その時々に需要のあるものや方法を見つけて対応してきた」と4代目。歴史ある窯元としての覚悟と、「個人ではなく産地全体を盛り上げる」と先を見据える目線こそが長く続く秘密だと感じました。
■桧佐陶工房(ひさとうこうぼう)
1870年(明治3年)(今年で154年目)
住所:笠間市下市毛43-1
【電話】0296-72-0198
営業時間:午前8時30分~午後5時(定休日/第4火曜日)
2,400坪もある敷地は市内の窯元の中でも有数の広さ。店舗は70名以上の作家の作品が展示・販売され、特に、動物などの小ぶりな作品がたくさん並んでいるのが可愛らしくて癒されます。18もの種類から好きな色を選べる陶芸体験(手ひねり1,500円~)が市内外の皆さんから人気。注目作品を紹介する公式インスタグラム(@hisatoukoubou)も要チェックです!
▽インタビュアーが感じた100年続く秘密
4代目にインタビューすると、初代から3代目までそれぞれの先代の人柄、それぞれの時代の出来事や工房で行ってきたことなどを細かに話してくれ、辿ってきた歴史や先代たちの想いを受け止めて工房を続けていることが分かりました。伝統ある工房を受け継いでいく意志を持ち、SNSなど時代に応じた工夫も柔軟に行っていることが長く支持される秘密だと感じました。
問合せ:秘書課
【電話】内線224
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