■スキンケアのお話
笠間市立病院看護師 朝倉慶子(あさくらけいこ)
スキンケアとは、洗浄(洗う)、保湿(潤す)、保護(守る)を基本として、皮膚の正常な機能を良好に保つケアのことです。
子どもから大人まで、すべての人にスキンケアは大切です。子どもの肌はみずみずしく見えますが、実は角層が薄く、皮脂の分泌量が不安定でバリア機能が安定していないため、外部の刺激を受けやすい状態にあります。高齢の方の肌も、加齢に伴い皮脂分泌が減少し、水分を保持する機能が低下するため乾燥肌になりがちです。身体を守るバリア機能が低下して外部の刺激に反応し、痒(かゆ)みや発赤(ほっせき)などの皮膚トラブルも起こりやすくなります。また、摩擦やずれにより弱い皮膚が裂けたり剥がれたりするなどのスキンテア(皮膚の傷)や、長時間体重で圧迫されている場所の血流が悪くなり、滞ることで発赤や傷になる褥瘡(じょくそう)(床ずれ)などが起こることもあります。
子どもや高齢の方以外でも、季節の移り変わりや寒暖差により肌のバリア機能が低下し、トラブルが起こりやすくなります。こうした皮膚のトラブルを防ぐためには正しいスキンケアが必要です。
今回はスキンケアの具体的な方法をお話ししたいと思います。
▽一つ目は洗浄です
石鹸やボディーソープはよく泡立て、泡を優しく押し当てて優しく洗います。38度から40度のぬるま湯で石鹸の泡が残らないように十分にすすぎます。身体を拭くときも軽く押し拭きをして擦(こす)らないようにします。
▽二つめは保湿です
入浴後や清拭(せいしき)(体を拭くこと)後は、なるべく早く保湿剤を塗ります。保湿剤は、手のひらで温めて擦らず優しく塗り広げ、一日2回塗ることが推奨されています。保湿剤の種類によって異なる場合がありますが、クリームは人差し指の先端から一つ目の関節まで、ローションでは一円玉大で両方の手のひらくらいの広さを塗ることができます。また、ティッシュペーパーが付着する、皮膚が光る程度も目安と言われています。
▽三つ目は保護です
乾燥の強い箇所は、油分が多いクリームで保護します。おむつを使用している場合は、排泄物による刺激や蒸れでおむつかぶれや皮膚トラブルが起こりやすくなります。保護オイルなど撥水(はっすい)性があるクリームで保護すると良いでしょう。皮膚が弱く傷ができやすい高齢の方は、アームカバーやレッグウォーマーなどを使用し、皮膚を保護することもおすすめです。
皮膚トラブルが起こると病院での受診や治療が必要となり、症状が長く続くなど、治るまでに時間がかかってしまうこともあります。
皮膚トラブルが起こる前に日々のスキンケアを取り入れ、皮膚のバリア機能を維持して健康な皮膚状態を保つことがとても大切です。
問合せ:市立病院
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