■多世代と多様な人材が活躍する環境の形成
昨年の笠間まるごと「子育て都市」宣言プロジェクトによる笠間ショッピングセンターポレポレ内の屋内広場は、子育て世代の新たな交流の場としての活用を図りながら、こども誰でも通園や在宅育児の支援、妊娠・出産から高校までの助成支援などの子育て対策を継続し、子どもと保護者の視点に立った取り組みを推進してまいります。
同時に、小・中・義務教育学校から大学まで連携する教育環境の構築や、大学との連携による世代を超えた教育機会(リスキリングとリカレント教育)の確保、地域スポーツとしての部活動の地域展開、女性や外国人、若者が学び、活躍する環境整備などを施策連携により推進し、多様性が受容されるダイバーシティ社会の実現に向けて取り組んでまいります。
■地域特性に応じたまちづくり
人口減少時代の中で、市全体の強化を図るためには、コンパクトプラスネットワークの方針のもと、本市の中心に位置し、都市機能や人口が集積する友部駅周辺市街地における拠点づくりをはじめ、デマンドタクシーや周遊バスなどの地域公共交通の再編、まちなかや観光面における渋滞対策、企業や宿泊施設の誘致など、エリアごとの特性に応じて、既存ストックの利活用とともに、地域の再生事業をハード、ソフトの両面で進めてまいります。
■儲かる地域の産業づくり
コロナ禍から回復した観光、米や栗、菊などの農業は地域産業の中心であります。それら地域産業における持続的な成長や賑わいの創出、所得の向上につなげていくための産業振興策の強化を図ってまいります。
農業においては、昨年末の「オーガニックビレッジ宣言」に基づき、環境にやさしい有機農業を推進するため、学校給食への提供拡大や付加価値を高める認証制度への支援に取り組むとともに、「笠間の栗」のブランド力のさらなる強化に向けて、栗栽培モデル事業(日草場地区)の本格実施による生産拡大や新たな販路拡大につながる取り組みを進めてまいります。また、石井来栖稲田地区において、生産性向上と担い手への農地集積の加速化を図るため、土地改良事業に着手してまいります。
観光面では、道の駅のゲートウェイ機能を強化した市内観光への誘導施策の展開や、観光誘客につながるイベント支援、地場産品である笠間焼の再ブランド化などの取り組みを進めてまいります。
堅調な企業立地についても、引き続き、県と連携した企業誘致活動を進め、地域の雇用創出や安定的な税収確保を図るとともに、新たな受け皿となる安居工業地域の基盤整備を進めてまいります。
また、近年顕在化する後継者や働き手などの人手不足や人材確保は、産業面だけでなく、まちづくり全体の課題として受け止める必要があります。新たな担い手づくりとなるスタートアップや創業支援、外国人材の受け入れなど、多様な働き方や働き手の確保策について、地元高校や企業などと連携しながら、解決に向けた取り組みを進めてまいります。
■国際交流・都市間交流の推進
異文化や特性が違う都市との交流は、本市の将来を担う人材育成、地域産業における新しいビジネス機会、観光誘客など、さまざまな効果をもたらします。
本市の事務所を設置する台湾については、引き続き、行政機関や大学との連携協定に基づき、観光、産業、教育、スポーツなどの分野において、人材を中心とした相互交流を深めてまいります。また、海外友好都市を締結しているドイツ・ラール市や、スポーツでつながりをもつエチオピアとの新たな交流への取り組みを進めてまいります。
忠臣蔵や合気道などを縁とする国内各都市については、サミットの開催やイベントなどを通じた相互交流に取り組むとともに、水戸市をはじめとする県央地域連携中枢都市圏においても、人材の育成や広域による効率的、先進的な取り組みを進めてまいります。
以上、本年のまちづくりへの抱負の一端を述べさせていただきました。
将来に希望と期待のもてるまちをつくるため、世界規模の課題や人口問題によって顕在化するさまざまな地域課題に対し、スピード感をもって果敢に挑戦するとともに、デジタル化の推進や公民連携の強化などの行財政改革を進め、効率的かつ効果的な市政運営に取り組んでまいります。
結びに、本年も変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様にとって希望に満ちた年になりますよう心からお祈り申し上げ、ごあいさつといたします。
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