■地域おこし協力隊とは?
地域おこし協力隊とは、総務省が平成21年度から取り組んでいる制度で、都市部の意欲ある人材が地方へ移住(最長3年)し、地域力の維持・強化を目的とした支援活動を行うものです。
■笠間の栗でどんな未来をつくる?~笠間の栗とわたし~
▽プロフィール 三宅輝明(みやけてるあき)隊員(28歳)
2024年5月より笠間市の地域おこし協力隊として着任。栗のブランド化の推進を目的として笠間栗ファクトリー株式会社に常駐し、栗のペーストや甘露煮などの製造販売を行っています。
栗本来の香りを引き出した「栗ペースト」や、ほっくり、しっとり食感が同時に味わえるような「栗甘露煮」など、笠間の栗を使用した製品の製造を手掛ける笠間栗ファクトリー株式会社。製品出荷量は年々増え、「笠間の栗」をブランドにした栗製品が県内外の食品メーカーや飲食店から販売されています。
成長の背景には、農公民、地域一体となって取り組む「品質向上に向けた地道な改善」や想いに共感いただけるパートナーを探す「販路開拓」「消費拡大に向けたPR活動」など、笠間の栗を広めたいと奮闘する人々の挑戦が大きなカギとなっています。そのような取り組みの一端を担う地域おこし協力隊にスポットを当て、日々の活動や、製品に込める想いを紹介します。
~100年先も愛される笠間の栗ブランドの未来に貢献したい~
―三宅さんは、笠間の栗のブランド化の推進をミッションに活動されています。具体的には、どのような役割を担っているのでしょうか?
「笠間の栗のブランド化」の一翼を担う笠間栗ファクトリーで、製品の品質向上、業務改善、販路消費拡大などに取り組んでいます。高品質な笠間の栗の製品をより多くのお客様にお届けできるように、まずは、2次産業の現場を中心に笠間の栗ブランド化につながるような活動をしています。
―笠間栗ファクトリー株式会社では、実際にどのような業務に取り組んでいるのでしょうか?
まずは、現場改善の基本でもある「整理整頓」から取り組みました。その理由は、人や物の流れを意識しながら、整理整頓を進めることで、「正しい状態」が見えるようになり、「異常な点」「改善点」「課題」に気づけるようになるからです。そうして見えてきた課題を1つ1つクリアにしていくことが、業務の効率化や品質向上につながっていくと考えています。
現場の改善は、現状を疑うことからはじまることが多く、最初は「受け入れてもらえるかな」と心配していましたが、笠間栗ファクトリーで働く方々は、「それいいね、もっとこうしたらどう?」と積極的にアイディアや意見を挙げてくれるので、短期間で業務改善が飛躍的に進んでいると感じています。実際に、例年と比較すると、製造効率も上がり、働きやすい環境づくりやコスト削減にもつながっていると実感しています。
―笠間栗ファクトリー株式会社の業務の中で大変だったことやうれしかった出来事はありますか?
栗というアイテムを扱った経験がなかったので、品種や加工の特性を勉強しながら現場の改善をしつつ、効率よく大量生産をしていくことが大変でした。うれしかった出来事は、改善のPDCAサイクルを回すなかで、働きやすくなったという現場の声や成果が実感できたときです。現在は、製造現場のDX化にトライしているところなので、喜びが実感できるように努めたいと思っています。
―笠間の栗のブランド化に関して、どのような未来を描いていますか?
「笠間の栗」はここ数年で認知度が大きく向上し、ブランド化が進んでいると感じます。今後も安定的で良質な栗を生産できる「生産現場」、優れた加工技術で高品質な加工品を製造する「製造現場」、お客様目線の「販売の現場」が一体となってブランド化に取り組むことが大切だと思っています。
もしかすると、生産現場では「大きな栗を作る」ことを目標にする一方で、製造現場では「甘みが凝縮された小さめの栗」の方を求めていたり、販売現場では「季節感や地域性が感じられる商品」や「ビーガン対応」「糖質を控えた商品」を必要としたりしているかもしれません。それぞれが異なる視点やニーズを持っているからこそ、全体像を把握しながら協力し合うことが重要だと感じています。そうすることで、新たな特産品や雇用の創出、所得向上など、他産地にはない「笠間の栗」ならではの価値が生まれ、持続可能な強固なブランドを築くことができると考えています。
フェイスブックもご覧ください
問合せ:企業誘致・移住推進課
【電話】内線592
<この記事についてアンケートにご協力ください。>