■フッ化物洗口推進事業
行方市では、むし歯のある人の割合が高く、むし歯は健康課題の一つです。下記のグラフでも示す通り、令和3年度3歳児でむし歯のある子どもの割合は、県内で第13位であり、茨城県の平均値よりも高くなっています。
そこで市では、むし歯の予防を目的として、令和4年度から「フッ化物洗口推進事業」を開始しました。
この事業は就学前施設の4・5歳児を対象としており、令和5年度は市内の5施設(玉造第一保育園・玉造第二保育園・玉造第三保育園・麻生こども園・北浦こども園)で実施しています。
なお、この事業は、行方市歯科医師会と連携を図り、全額公費負担で実施しています。
○フッ化物洗口とは?
「フッ化物」とは、フッ素の化合物のことをいいます。フッ化物は、緑茶や海藻、魚介類等に多く含まれている、とても身近な物質です。保育所・幼稚園で行うフッ化物洗口は、永久歯への生えかわりの時期でむし歯になりやすい、幼児期の子どもたちの歯の質を強化し、むし歯を予防する効果があります。
○フッ化物洗口の方法
洗口液5mlを口に含み、30秒~1分間ブクブクうがいをします
・週5回法
0.05%フッ化ナトリウム溶液(フッ化物イオン濃度225~250ppm)保育所・幼稚園では、低濃度の洗口液で毎日行う方法が、安全で効果的とされています
○実施の様子
各施設では、昼食を取り、歯磨きを行った後に、フッ化物洗口を実施しています
■「フッ化物の効果と安全性について」
行方市歯科医師会長 髙野秀勝
現在、むし歯予防(特に小児)としてフッ化物が応用されています。その方法は3種類あり、(1)歯磨き粉にフッ化物を配合させる方法(2)歯科医院にてフッ化物を歯面塗布する方法(3)学校や保育園、幼稚園などでフッ化物洗口を行う方法です。
フッ化物の効果の点で考えてみると、(1)の方法では乳歯の40%、永久歯の20~30%(2)の方法では乳歯の40~50%、永久歯の20~30%(3)の方法では永久歯の20~50%(長期の実施例では70%以上)のむし歯予防効果があり、一つの方法よりは二つ、三つの方法を併用したほうが高い効果が得られるといわれています。
新潟県では、1970年からフッ化物洗口が開始され、50年にわたり実施されています。その結果、21年連続で12歳以上の一人平均むし歯数が日本一少ない県という成績をあげています。
安全性に関しては、いずれの方法においてもフッ化物を摂取するのではなく、直接歯面に作用させる方法ですので、実際に摂取するフッ化物の量はごくわずかで、適正な使用方法であれば摂取量が過剰になる心配は無く、安全性に問題はありません。
○フッ化物応用とは
(1)フッ化物配合歯磨き剤
(2)フッ化物塗布
(3)フッ化物洗口
※2歳児歯科健診では、フッ化物塗布(希望者)を行っており、9割以上のお子さんが受けています。
○令和4年度「フッ化物洗口実施アンケート」より
○今後もフッ化物洗口を希望するか
希望する…94.2%
わからない…5.8%
9割以上の方が今後もフッ化物洗口を希望しました
むし歯は、大切な歯を失う原因になることから、子どもの頃からのむし歯予防がとても大切です。
市では、今後も子どもたちの歯と口腔の健康づくりのため、フッ化物洗口推進事業に取り組んでいきます。
【茨城県歯科医師会むし歯予防動画】
ぜひ、家族みんなでご覧ください!
○はじめましょう!フッ化物洗口(大人向け)
〇ふっそのうがいでむしばよぼう(こども向けアニメーション)
※詳細は本紙参照
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