茨城県指定有形文化財(工芸品)
■宝幢院(ほうどういん)の銅鐘(どうしょう)(梵鐘(ぼんしょう))
~古(いにしえ)の響きを今に伝える名鐘~
所在地:行方市玉造乙69
宝幢院は、西蓮寺を開山した最仙上人(さいせんしょうにん)によって延暦(えんりゃく)8(789)年に創建されたと伝えられる天台宗の寺院です。銅鐘は、室町時代の永享3(1431)年に玉造城主の玉造憲幹(のりもと)が寄進したもので、竜頭(りゅうず)までの高さ140cm、口径77cmの大きさです。江戸時代の寛永12(1635)年の火災で寺が全焼し、鐘に筋割れが生じて鳴らなくなりました。延宝8(1680)年に檀家一同の心願で、江戸の名工鋳物師(いものし)の小沼播磨守(はりまのかみ)藤原正永によって鋳(い)なおされ、美しい音色と艶やかな響きがよみがえりました。幕末に水戸藩主徳川斉昭(なりあき)が海防のために鐘を集めて大砲を鋳造した際も、太平洋戦争の金属類回収からも供出を免れており、名鐘としての価値を示しています。現地案内板のQRコードから説明動画を視聴することができますので、ぜひご利用ください。
※玉造町史(1986玉造町史編さん委員会)、玉造史叢第52集(2011玉造郷土文化研究会)を参考にしています。
問合せ:生涯学習課文化・社会教育グループ
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